こんにちは。はやし歯科クリニックです。
歯を健康に保つには、毎日の食事がとても大切です。
でも、どんな食べ物が良いのでしょうか。
歯にいいと言われる食べ物を食べたからといって、虫歯や歯周病がなくなるわけではありません。
大事なのは、食べた後の歯磨きです。
この記事では、歯に良い食べ物を紹介するとともに、食事の後にしっかりと歯を磨くことの大切さや、キレイな歯並びを保つための食事についてもお話します。
毎日のちょっとした心がけが、健康な歯を長く保つ秘訣です。
歯に良い食べ物
歯と歯茎の健康を維持するためには、バランスの取れた栄養が不可欠です。
特に、歯を強くし、口腔内の清潔を保つのに役立つ食べ物があります。
以下では、歯に良いとされる代表的な食品群について詳しく解説します。
歯を強くする
カルシウムが豊富な食品は、歯や骨の形成に必要不可欠なミネラルであり、十分な量を摂取することが、健康な歯を維持する上で重要です。
カルシウムが豊富な食品には、以下のようなものがあります。
乳製品、魚介、海藻類
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は、カルシウムが豊富で、体に吸収しやすい形で存在します。
小魚などは骨まで食べられるのでカルシウムが豊富です。
定期的にこれらの食品を摂取することで、歯のエナメル質を強化し、虫歯予防に効果的です。
葉野菜
ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜にもカルシウムが含まれています。これらの野菜は、乳製品を摂取しづらい人にとって貴重なカルシウム源となります。
アーモンド
ナッツ類の中でも特にアーモンドはカルシウムが豊富で、おやつやサラダのトッピングとして手軽に摂取できます。
シイタケなど
ビタミンDを多く含む食品は、カルシウムの吸収を助けてくれます。
にんじん、パセリ、海苔、わかめなど
ビタミンAを含む食品は歯のエナメル質を強化します。
海藻類ヒジキ、わかめ、昆布、海苔など
海藻類はph数値が高いアルカリ性の食品ですので、お口の中を中性にしてくれる歯にとって良い食品です。
焼きのり、パセリ、ピーマン、ケールなど
ビタミンCを含む食品、は歯の象牙質の形成を支えてくれます。
直接性清掃食品
直接性清掃食品とは、食べることによって歯の表面や粘膜を物理的に清掃し、プラークや食べかすを除去する効果がある食品のことを指します。
これらの食品は、咀嚼(そしゃく)する過程で自然に歯を磨き、口腔内をきれいにするため、「自然の歯ブラシ」とも呼ばれることがあります。
以下に特徴と食品の例を挙げます。
硬さと繊維質
直接性清掃食品は通常、硬さがあり、豊富な繊維質を含んでいます。
これにより、噛む力が歯と歯の間や歯ぐきに働きかけ、食べかすやプラークを物理的に除去します。
唾液の分泌促進
これらの食品を噛むことで唾液の分泌が促され、唾液に含まれる酵素がお口の中の洗浄を助け、酸性度を中和し、虫歯の予防に役立ちます。
具体な食品
リンゴ、人参、ごぼう、セロリ、レタスなど
サクサクとした食感や硬くて繊維質の多いのが特徴で、飲み込むまでに何度も噛む必要があります。
唾液の分泌が多くなり、お口の中のクリーニング効果が期待できます。
直接性清掃食品は、口腔衛生の補助として役立ちますが、通常の歯磨きを置き換えるものではありません。
食後は適切な歯磨きとフロス使用を心がけ、定期的な歯科検診も忘れずに行うことが大切です。
直接性清掃食品を日常的に取り入れることで、口腔衛生の向上に役立てることができますが、全体的な口腔ケアの一環として考えることが重要です。
間接清掃性食品
口に含むと唾液の分泌を促し、食べ物がお口の中に滞ることを防いで汚れを洗い流してくれる食品です。
具体的には梅干しやレモンなどが挙げられます。
唾液の分泌により、お口の中の環境が酸性からアルカリ性に変わり、酸によって歯が溶けるのを防ぐ効果があります。
歯に悪い食べ物
歯に良い清掃性食品とは反対の停滞性食品があります。
停滞性食品
停滞性食品は、油分や糖分を含み軟らかく食後に歯や歯間に残りやすい特性を持つ食品で、虫歯のリスクを高める可能性があります。
これらの食品は、お口の中を清潔に保つことを難しくし、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。
停滞性食品の例
キャンディーやキャラメル、ソフトドリンクやフルーツジュース、パンやクッキー、カレー、スパゲッティ、ポテトチップスなどです。
上記の停滞性食品が歯に付着すると、プラークの形成を促し、虫歯や歯周病の原因となります。
特に、糖分が豊富な停滞性食品は、お口の中の細菌が糖を分解して酸を生成し、これが歯のエナメル質を溶かし、むし歯を引き起こしやすくなります。
停滞性食品を食べた後は、早めに歯を磨くことが重要です。
歯ブラシが届きにくい部分は、フロスや歯間ブラシを使用して清掃しましょう。
また、食事の間や食後に水を飲むことで、お口の中をすすぎ、食品残渣が残らないようにしてください。
定期的な歯科検診とクリーニングで、むし歯や歯周病を予防しましょう。
停滞性食品の多くが、軟らかい食べ物なので、噛む回数が少なくなります。
噛む回数が不足すると、顎の骨の発育が十分に促されないため、歯が並ぶためのスペースが狭くなります。
よく噛むことのメリット
食事をする際、よく噛むことには多くのメリットがあります。噛む回数が増えるほど、唾液の分泌も活発になります。
唾液には驚くべき多くの機能が含まれていて、私たちのお口の中の健康に欠かせない役割を担っています。
消化促進
唾液に含まれるβアミラーゼという酵素が、でんぷんの分解を助け、消化過程をスムーズにします。
保湿保護
口の中の粘膜を保護し、傷がつくのを防ぐ湿潤効果があります。
自浄機能
食べ物の残りかすを洗い流し、歯の表面を清潔に保ちます。
殺菌作用
細菌の侵入を防ぎ、口腔内の健康を守ります。
緩衝作用
口内のpHバランスを調整し、酸性の環境を中和にするのを助けます。
再石灰化
むし歯の予防に役立つ再石灰化作用を促進します。
唾液はこれだけ多くの働きを持つ「スーパーヒーロー」のような存在です。
より多くの唾液を分泌させるためにも、食べ物をよく噛むことが重要です。
食事の時には、ひと口を30回以上噛むように意識することがおすすめです。
この習慣を取り入れることで、お口の中の健康維持につながり、歯並びにも良い影響を与えられます。
現代社会では、美味しい食べ物があふれており、多くの食品が以前に比べて柔らかく加工されています。
これにより、私たちは以前よりも少ない咀嚼(そしゃく)で食事を済ませることが多くなりました。
特にファストフードや加工食品の普及により、硬い食べ物を噛む機会が減少しています。
このような食生活の変化は、口腔内の健康にも影響を及ぼしています。
具体的には、十分な咀嚼が促されないために、顎の発達が十分に行われず、歯並びの問題を引き起こすことが指摘されています。
噛む回数が減少すると、顎の筋肉の使用頻度が下がり、これが顎の成長や歯の正しい位置影響が出ます。
結果として、歯並びが悪化するという問題に繋がるのです。
歯並びが悪くなると、見た目の問題だけではなく、お口の中の清掃が難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まる可能性もあります。
また、咬み合わせの問題が顎関節症などの他の健康問題を引き起こすこともあります。
このような背景から、食事の際には噛む回数を意識することが推奨されます。
一口につき30回以上噛むことを心掛けると、唾液の分泌が促され、食べ物の消化が助けられるだけでなく、顎の筋肉も鍛えられ、正しい歯並びにつながります。
また、食事をより楽しむことができ、食べ物の味を十分に味わうことができるでしょう。
現代の便利で柔らかい食生活の中で、意識して硬い食べ物を取り入れることも一つの方法です。
ナッツや生の野菜、果物を積極的に食事に取り入れ、噛む楽しさとお口の健康の両方を手に入れましょう。
ご質問などございましたら、当歯科医院までお問い合わせください。