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歯にも寿命がある? 寿命を短くしてしまう理由を知る

2024年9月30日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

現在ある歯は、自分自身が生きている間ともに生きてくれるものだという認識の方々もいらっしゃるのかもしれません。

現在、日本人平均的寿命は男性は80歳、女性は87歳だと言われています。

ということは、一度歯は生え変わっているため男性80歳、女性87歳とは言わないですが、それに近い寿命であるはずなのです。

しかし、歯はそんなにうまくはいかず、これだけの長い期間、元気で生き続けるためにはそうとう心掛けも、ケアも必要です。

人間が健康でないと生き続けることができないように、歯も常に健康である必要があります。

通常であれば、永久歯の場合、上は14本、下は14本で、合計して28本の歯があります。

どなたに対しても言えることですが、この28本の歯全部を生涯、良好な状態のまま維持することは至難の技です。

おおかた歯の寿命は50~60年程度と言われています。

しかし、日ごろの生活スタイルや、歯に対してのメンテナンスによってはもっと寿命は伸ばすことが可能です。

逆に言えば、生活スタイルやメンテナンスによって人の寿命を縮めてしまうリスクもあるため充分に注意しなければならないポイントです。

 

歯は再生することができない?

子供のころ、一度歯は生え変わります。

中には、抜ければ何度も生えてくるような動物もいます。

それと比較すれば、なんで人間は、一回しか生え変わってくれないの?という気持ちにもなってしまうことでしょう。

皮膚は、ケガをすれば、高齢の方々でもふたたびもとの状態に戻ってくれます。

歯もそのようなものであればいいのですが。

想像の領域でお話しするに過ぎないのですが、人類が誕生したときには、乳歯から永久歯へと1回生えかわるだけで充分であると判断されたのだと思います。

大昔の人たちの寿命は、現在と比較すればおおよそ半分程度だったことでしょう。

歯というものは現代社会を生きる私達に順応しきれていない点はあるかと思います。

歯はこれから、進化していくのかもしれません。

私達人間が、あまりにもハイスピードで寿命を伸ばしてしまったから歯が追いついていないのかもしれません。

しかし、最近になって朗報も飛び込んできています。

それは、「歯生え薬」の実用化です。

「歯生え薬」の実用化に向けた治験を、京都大学付属病院でスタートすると、医学研究所北野病院などが発表をしています。

足りない歯を再生させるという世界ではじめての試みがこれから行われようとしているところです。

今後、生まれつき歯の数が少ない先天性無歯症の患者様に対しての再生治療薬として、2030年の実用化を目指していくということです。

もちろん優先すべきはそのような人たちでしょうけど、今後一般的歯科医療の領域でもそのような技術が採用されることを充分期待してもいいのではないでしょうか。

ただし、現状のことを言えば、まだまだすぐに実現する話ではないため、ひとりひとりがいまある自分の歯を大事にする姿勢はとても大事です。

8020運動とは?

8020運動(ハチマルニイマルうんどう)という言葉も頻繁に聞くことがあるでしょうか。

8020運動とは、80歳の年齢になっても自身の歯を20本以上維持しようという運動のことです。

8020運動は、疫学調査の結果をもとにして、厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し、意欲的にスタートしています。

8020運動がはじまった平成元年当時の平均寿命は、男性の方々が75.9歳、女性の方々が81.8歳でした。

つまり、8020運動は20本以上の歯を生涯通じて持ち続けることを目標にしていると考えることができます。

現在のことを言えば、平均寿命は男女ともに既に80歳を大幅に超え、より健康な高齢期を過ごすための運動として8020運動が注目される機会が増えています。

 

歯の寿命を短くしてしまう原因

歯はどのような原因で寿命を短くしてしまうのでしょうか。

歯の寿命を短くする原因には以下のようなことを考えることができます。

歯周病

歯周病とは、歯の周辺で繁殖してしまった歯周病菌が歯茎に対してダメージを与え、次第に歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう恐い病気です。

さらに、歯周病は「軽度」、「中度」、「重度」の段階に分けることができ、重症化してしまうまでは自覚症状がほとんど見られないことも多くあります。

気がつかないため歯周病が重度になれば、歯を支える力が失われてしまうため、少しの衝撃でも歯がグラグラしてしまうことがあります。

食べ物を噛むときの衝撃や、舌で触っただけでも歯が抜けてしまうこともあるのです。

ここまで進行してしまえば、治療することもかなり困難を極め、やむなく抜歯しなければならない事態になってしまいます。

むし歯

むし歯が重症化した場合も、有効な治療はと言えば、抜歯に限定されてしまうことがあります。

むし歯は歯周病と比較して、痛みの自覚症状が出やすいのですが、強い痛みを感じるようになったあと歯科医院にいらっしゃると、治療の選択肢の幅が狭まり、やむなく抜歯になってしまうケースも多いため注意する必要があります。

抜歯をしないで治療することができたとしても、詰め物の範囲が広ければそれだけもとの歯の多くを失ってしまいます。

また、歯科医院でブリッジ治療を選択する場合、むし歯と隣接する健康な歯を削ったり、抜歯したりする必要が出てきます。

むし歯を初期の段階で発見し、治療するためには、痛いから歯科医院に行くというのではなく、定期的に歯科健診を受診する生活スタイルをおすすめします。

破損

歯が抜けるに至る原因の多くが歯周病とむし歯ということになるのですが、一方で破損によって歯が抜けてしまうケースも散見することができます。

たとえば交通事故に遭遇してしまったり、スポーツをしている際にぶつかってしまったり転倒などで強い衝撃を受けた場合、歯が折れたり欠けたりすることがあります。

むし歯や歯周病と違って、このような突発的なアクシデントは避けようと思ってもなかなか避けることができません。

それでも、歯科医院として折れにくい、欠けにくい歯を育てていく向き合い方であればすることができます。

当院では、患者様に対して口腔ケアを欠かさない指導を行っていくとともに、ミネラル類やタンパク質をバランスよく摂取して、丈夫な歯を作られるようアドバイスさせていただいております。

歯の寿命をできるだけ延ばす方法

ここでは、歯の寿命をできるだけ延ばす方法について解説をします。

規則正しい食生活を維持する

規則正しい食生活を維持することが何よりも大事なことです。

ダラダラと食べ続ける習慣があると、むし歯になりやすい環境ができてしまい、容易に歯をなくしてしまうキッカケを作ってしまうことになります。

また、夕食を食べて、歯磨きをしてから睡眠するまでの間に間食をしてしまうと、結局は歯は汚れたままの状態で朝を迎えることになるため、このような生活習慣は改善が必要です。

また、甘いものややわらかいものばかりを食べることもよくはありません。

むし歯菌や歯周病菌などの細菌は糖分を栄養にしてどんどん増殖していき、さらに、やわらかいものばかりを食べる生活習慣では顎の骨が退化してしまうからです。

患者様ひとりひとりが歯にとって良いとされている栄養素も充分に摂取し、いつも規則正しい食生活を送るよう心掛けてください。

自宅でセルフケアを行う

むし歯や歯周病を防ごうと思えば、日々、お家で歯磨きなどのセルフケアを怠ることなく行うことが大事です。

食べ物のカスなどが原因となり歯に誕生する歯垢(プラーク)は、おおよそ300種類、また1億個もの細菌が存在します。

歯垢をそのままの状態で放置してしまえば、固まって歯石となり、自身では取れなくなってしまうため、そうなる以前に積極的にセルフケアを行うようにしたいです。

歯と歯の間に挟まったゴミがなかなか取れないケースもあるため、そのような場合には歯間ブラシなどを歯ブラシと併用し、汚れを落としてください。

歯磨きタイムはできるだけ毎回の食事の後に行うよう意識し、スケジュール的に難しい場合は、水で口をすすぐなどして、セルフケアを欠かさない意識が大事です。

歯科医院でメンテナンスを行う

そもそも歯石は自宅で行われるセルフケアだけではなかなか除去しきれるものではありません。

頑固な汚れを徹底して取り除きたいと思えば、歯科医院における専門的な治療が必要です。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるモチベーションがとても大事です。

歯科医院で定期的に健診を受ければ、万が一むし歯や歯周病にかかっていたとしても、早期発見することができ、早期治療へとつなげることができます。

いかがでしょうか。

セルフケアやメンテナンスを定期的に行い、規則正しい生活を心がけることで、歯の寿命はもっと伸ばすことができるようになります。

逆に言えば、そのようなことをしなければ、歯の方が先に死んでしまうことでしょう。

歯の死は、まさに人間の寿命を短くする要因です。

長寿には、健康な歯を維持することもとても大事であるため、現在の歯に対しての向き合い方も少しずつ変えてみましょう。

 

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