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ホワイトニングにご興味がある方へ

2024年10月21日

こんにちは。「はやし歯科クリニック」です。

今回は、「ホワイトニングにご興味がある方へ」についてお話していきたいと思います。

ホワイトニングは、馴染みのあるワードであり、お口元の見た目としても最も目につく部分の治療になりますが、ホワイトニングのご経験はありますでしょうか?

ホワイトニングには、1つの治療法だけではなく、3つほど治療方法があります。

その3つとは、ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング、デュアルホワイトニングになります。

今回は、それぞれの治療法の特徴や違いなどをご説明致します。

患者様の最適な治療法を選んでいただくために、こちらのブログをお読みになって治療法を選んでみてください。

また、ホワイトニングをすることで、見た目の印象がよく見えたり、表情が明るく見えたりなどのメリット盛りだくさんの治療になります。

そのため、今笑顔に自信がない方や歯の色にお悩みがある方は是非、前向きなご検討をしてみてください。

それでは、「ホワイトニングにご興味がある方へ」についてお話していきます。

 

そもそもホワイトニングとは

イメージをお持ちの方がほとんどだと思いますが、簡単にホワイトニングについてご説明致します。

ホワイトニングは、歯を白くする治療方法です。

歯が黄色っぽくなったり、茶色っぽく見えるときに治療を行い、歯を白くします。

ホワイトニングをすることで、歯が綺麗になって笑顔も素敵になります。

しかし、治療方法は1種類ではないため、それぞれどのような治療方法なのか知識を身に付けていきましょう。

それでは、ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング、デュアルホワイトニングについてご説明致します。

ホームホワイトニングとは

ホワイトニングには、ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング、デュアルホワイトニングがあります。

まずホームホワイトニングは自宅で行う方法です。

歯科医から特別なジェルやトレイ(型)をもらい、それを使って歯を白くします。

そのジェルとトレイに入れて、自分の歯にはめて使います。

これを毎日少しずつ続けることで、歯は白くなります。

ホームホワイトニングは、じっくり時間をかけて歯を白くしたい人に向いています。

一度の施術で即効性はありませんが、ゆっくりと結果が出るので焦らずに続けることで効果が現れます。

通常は数週間かかりますが、自分のペースで行えることもメリットです。

また、ホームホワイトニングは比較的手軽にできる方法でもあります。

歯医者さんに通う必要があるオフィスホワイトニングに比べて、自分のスケジュールに合わせて行うことができるため、学校や遊びの合間にも取り組めるので、忙しい学生にもちょうどいいのが特徴です。

ただし、ホームホワイトニングをするときは注意点もあります。

ジェルやトレイの使い方を正しく覚えて、歯や歯茎に傷をつけないように気をつけましょう。

そして必ず、歯科医に相談してから始めることが大切です。

自分の歯の状態やジェルの種類などをきちんとお話して、安全にホワイトニングを行いましょう。

当院へ、お気軽にホームホワイトニングについてご相談ください。

ホームホワイトニングは、ゆっくりとでも確実に歯を白くしたい人におすすめの方法です。

正しい使い方と歯医者さんに指導を受けて、美しい笑顔を手に入れましょう。

 

オフィスホワイトニングについて

オフィスホワイトニングの特徴の1つは、クリニックにて行うホワイトニング治療のことです。

専用のジェルや光を使って、歯を白くしてくれます。

これは自分でやるホームホワイトニングとは違って、歯科医が特殊な機器を使い、効果的に歯を白くすることができます。

もう1つの特徴としては、オフィスホワイトニングは、一度の施術で即効性があります。

つまり、歯科医に治療を行ってもらうだけで、その場で歯が白くなります。

急に結婚式やイベントに出る予定がある時など、急いで歯を白くしたい患者様におすすめの治療方法になります。

また、オフィスホワイトニングは、専門家による治療になるので、安心して受けることができます。

歯科医が歯の状態をしっかり調べた上で、適切なジェルや光を使って治療致します。

そのため、ご自身でやるより安全で効果的なことがメリットです。

ただし、オフィスホワイトニングはホームホワイトニングと比べて、通院回数や費用がかかることもありますが、即効性や手間を考えると、メリットの方が大きいです。

また、即効性がある分、継続的なケアが必要な場合があります。

歯科医の指示に従って、定期的にメンテナンスをしましょう。

まとめると、オフィスホワイトニングは、急いで歯を白くしたい時や、専門家による安心感をお求めの方におすすめの方法です。

 

デュアルホワイトニングについて

デュアルホワイトニングは「デュアル」は「2つの」という意味です。

つまり、2つの方法を組み合わせた特別なホワイトニング治療になります。

まず、デュアルホワイトニングの特徴の1つは、歯科医による専門家によって治療を受けることです。

歯科医が専用のジェルや光を使って、一度の治療で歯を白くする効果があり、これはオフィスホワイトニングと同様になります。

次に、デュアルホワイトニングのもう1つの特徴は、家でケアを続けることです。

歯科医によって治療を受けたあとは、自宅で定期的に特別なジェルやトレイ(型)を使ってケアを続けます。

これはホームホワイトニングと同様です。

デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法なので、その効果も絶大です。

一度オフィス(歯科医院)での治療で歯を白くし、そのあと家でケアを続けることで、白さを継続させることができます。

デュアルホワイトニングは、急いでホワイトニングしたいけれど、継続的なケアも大切にしたい人におすすめの方法です。

オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトの持続性を兼ね備えているので、自分のペースで白い歯を手に入れることができます。

ただし、こちらも同様、デュアルホワイトニングも当院の指示に従って正しく行うことが大切です。

特に家でのケアは継続が必要なので、忘れずに取り組みましょう。

安全で効果的なホワイトニングを目指して、当院にて一緒に取り組んでいきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

ホームホワイトニング、オフィスホワイトニング、デュアルホワイトニングの違いをご理解いただけましたでしょうか。

ホームホワイトニングは、ご自身のペースで行うことができ、お家で手軽にできるメリットがあります。

継続的な治療になりますが、その点でコツコツ治療を行うことができる方におすすめです。

オフィスホワイトニングは、歯科医院にて行う治療で、即効性抜群の治療になります。

急な予定などに合わせた治療ができるため、すぐに効果を発揮させたい方におすすめです。

そしてデュアルホワイトニングは、即効性もあり、持続性を持たせたい方におすすめです。

それぞれ違った特徴を持つホワイトニングですが、どの治療にご興味お持ちになりましたでしょうか?

ホワイトニングについてさらにくわしくお聞きになりたい方は、当院にお気軽にご相談ください。

素敵な笑顔や自分の自信にも繋がるホワイトニング治療をぜひ、前向きなご検討をしていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

歯科医院では麻酔を使用している? 様々な疑問にお答えします

2024年10月14日

 こんにちは。はやし歯科クリニックです。

歯科医院において、抜歯などの治療で痛みをともなう処置が頻繁に行なわれているため、麻酔は欠かすことができません。

そもそも痛みはどのようなときに起こる?

歯は、様々なシーンで痛みが発生し、決して種類はひとつではありません。

親知らず

痛いと言えば、いわゆる親知らずがあります。

親知らずの場合、生えてくる時に痛みが発生することもあります。

親知らずは奥にあるため、いたって歯みがきがしにくい理由もあり、清掃が行き届かない結果、歯肉が腫れて痛みが発生することもあります。

このような症状は落ち着くこともあるのかもしれませんが、放置しておけば、いずれまた繰り返してしまいます。

また親知らずは、むし歯にもなりやすいので、染みたりする症状があったり、目視して黒ずんでいたりしたら、やはり抜歯を検討した方がいいです。

どうしようか我慢しているうちに奥の方までむし歯になってしまい、器具を使用して歯に力をかけた時、歯が砕けてしまうようなことがあり、スムーズに抜歯が出来なくなるようなことがあります。

そのようなケースでは、歯茎を切開する必要が出て来てしまい、歯の残っている部分を割って抜歯することもあります。

とても厄介で時間を要してしまうことになり、周辺の歯肉にも痛みが発生しやすいです。

 

歯が欠けてしまう

歯の一番外側にあるのは、エナメル質という硬い層です。

その下には、象牙質という若干やわらかめの層があります。

さらに中心部には、歯髄という、神経が行き来している場所があります。

歯は、エナメル質が欠けてしまうことで、むし歯で歯の表面に穴が空いてしまっているのと同じような状態になってしまいます。

表に露出した象牙質は、細菌感染が起こりやすく、痛みも発生しやすいです。

取れたつめものを放置

歯科治療で行うつめものは、むし歯の部分を削りつめているので、中は象牙質の若干やわらかい層に到達また、そもそもつめものが取れてしまう原因には、内部が既にむし歯になっているというケースも多くあります。

そのまま放置しておくのではなく、早めに歯科医院にいらっしゃって削り新しいつめものをつめなおさなければ、すぐに痛みが出てきてしまうでしょう。

 

取れたかぶせものを放置

かぶせものが入っている歯は、歯科医院で神経を抜いた歯が多いです。(ただし、神経を温存したままかぶせものを装着する治療が行われることもあります)

歯科医院で神経を抜いた歯は、根管(歯の神経の組織が入っている根っこの管)が細菌の炎症被害を受けないようにすることが大事です。

そもそも神経のない歯は痛みを感じないのですが、根管に対して細菌による炎症が発生すれば、膿が出てきてしまい歯の根っ子の周囲の骨を溶かしてしまうことになります。

結果、歯を支えることができなくなるため抜歯の必要も出て来てしまうことでしょう。

治療の途中の段階では、膿が多く溜まってしまい、神経のない歯にも痛みが発生することがあります。

そこで歯科医院で早めに治療を行って、炎症を抑える必要があります。

抜歯は回避できることもあるのですが、当院でも幾度も治療をしている歯の場合、再治療をあきらめて、抜歯になってしまうことがあります。

むし歯

痛みの代表格と言えば、やはりむし歯です。

歯は、既にお話ししたように階層構造になっています。

むし歯で歯が痛んでしまう場合、むし歯が進行し、象牙質が露出したことによって生じることになります。

 

歯周病

歯が痛むのがむし歯であり、一方で歯茎が痛むのが歯周病です。

ただし、歯周病の症状としては、歯の根の周辺の骨を溶かしてしまう場合があります。

そのような症状の場合、歯がグラグラしてきてしまうのですが、ある限度を越えてしまえば、抜歯になってしまいます。

歯茎の腫れ、痛み、噛んだ時痛いと感じるなど異常な症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院での検査と治療が必要です。

歯医者での麻酔について

当院でも、「麻酔」は患者さんが治療最中にできるだけ痛いのを回避するために使用します。

麻酔は大きく分類して、「全身麻酔法」と「局所麻酔法」に分類することができます。

全身麻酔法とは、歯科医院でそんなに遭遇する機会はないのかもしれませんが、医療ドラマでよく見るような口にマスクをして眠らせる麻酔のことです。

一方で局所麻酔法とは、身体の一部にだけ麻酔薬を浸透させ、一時的にその部分の痛みの感覚だけなくすための麻酔法です。

歯科医院でほとんどのケースで採用されているのは、局所麻酔法です。

ですから、ほとんどの歯科医院では麻酔と言っても、治療中、患者様が意識をなくしてしまうこともありませんし、身体の他のパーツが痺れしまうこともありません。

局所麻酔法は、全身的に作用しないので、安全性は比較して高いということができます。

 

表面麻酔

当院でも、できるだけ痛くないように治療をする場合、やはり麻酔は必要不可欠な存在です。

しかし、歯肉に麻酔の注射をしていくのですが、その注射に対して、やはり痛みや恐怖感を感じる方々が大勢います。

確かに注射は歯科以外にも行われ、好きという方々はほとんどいないでしょう。

麻酔の痛みをできるだけ解消するために、歯科医院では、麻酔をする場合、まず表面に塗り薬の麻酔を塗ります。

そうすることで、麻酔の痛みが100%改善されるわけではないのですが、かなり軽減することができます。

麻酔の注射に先立ち表面麻酔を行ない麻酔のための痛みを軽減、ここまで歯科医院では麻酔の痛みの問題とも真剣に向き合っているのです。

ただし、麻酔をしなければもっと痛いのですから、患者様も、ちょっとだけ覚悟は必要です。

表面麻酔法だけの麻酔の場合、10~20分程度で麻酔の効果は発揮されます。

浸潤麻酔法

浸潤麻酔法は、痛みを取り除きたい歯の周囲の歯ぐきに注射をして行なう麻酔のことです。

歯科医院で採用されている麻酔方法の一番メジャーな方法だと言っていいでしょう。

浸潤麻酔法は、むし歯の治療から親知らずの抜歯治療まで、とても有効的に活用されています。

また、浸潤麻酔法でもできるだけ注射の痛みを軽減するために、細い注射針を使用するようにしたり、かつ、既に解説した通り、表面麻酔をあらかじめ行います。

また、一般的な局所麻酔薬には、血管収縮薬が配合されています。

血管収縮薬が配合されているのは、麻酔の効き目を良くし、持続時間を長くすることと、安全性を高めるためです。

使った麻酔薬の数にもよるのですが、おおかた2~3時間は処置した後も効果が続いていることになります。

この時間帯は、患者様は、食事は控えるよう心掛けてください。

麻酔の本数や個人差によっても違い、麻酔の持続時間はさらに長びくこともあります。

2~3時間以上経っても痺れた感じが残っているなら、継続して食事を控えるようにしてください。

スキャンドネストという局所麻酔薬があります。

スキャンドネストには、血管収縮薬が含まれていません。

ですから、20~30分程度で麻酔の効果が切れるでしょう。

麻酔の効果が切れれば、普段通りの食事を再開しても問題はありません。

伝達麻酔法

伝達麻酔法は、麻酔が効きにくい場所に対して、浸潤麻酔法よりも広範囲に麻酔を効かせたい場合に採用される麻酔法です。

脳から発生した神経の途中部分に薬を効かせることで、そこから先の感覚を痺れさせることができます。

伝達麻酔法は、効きはじめるのにも時間がかかり、効けば、処置後麻酔の効果が浸潤麻酔法と比較しても長時間持続します。

効果は、4~6時間続くことが一般的です。

もちろんこちらにも個人差はあるので、患者様によっては半日程度麻酔の効果が続くこともあります。

麻酔が解消されるまでの間は、浸潤麻酔法と同様、食事を控えるよう心掛けてください。

歯科医院で麻酔を使用する目的

歯科医院で麻酔を使用するのは、治療の痛みを軽減させるためです。

ただし、それだけでなく、麻酔にはリラックス効果や鎮静効果も期待できる場合があります。

歯科で使用する麻酔は、年々進歩し、無痛治療が普及してきてもいます。

以前であれば、麻酔の注射や治療自体、イコール痛みを伴っていたのですが、現代では比較して痛みを感じない治療を受けることが可能となっています。

麻酔薬が改良され、注射技術が日々向上し、さらには麻酔管理のスキルアップによるものも理由としてあげることができます。

今後も当院では、最新の麻酔技術を積極的に取り入れ、治療にかかる時間も短縮、患者様が快適に受けられる治療を目指していきます。

現在は、快適とまでは言うことができないのかもしれませんが、「歯科医院って思っていたほど痛くない」と感じる患者様もきっといらっしゃることでしょう。

 

安心して歯科治療を受けるためには

麻酔は誰でも安易に扱えるというものではありません。

歯科医院で麻酔を受ける際には、歯科医師と充分に相談をし、患者様も適切な手順と注意点を把握することが大事です。

まず、歯科医院で治療する前にアレルギーや、持病のありなしを歯科医師に正確に伝えることが大事です。

患者さんの情報を伝えていただくことで、麻酔の選択肢や、治療方法に影響が出ることがあります。

また、麻酔の効果が残っている間は、頬や舌を噛んでも痛みがないため、知らず知らずのうちにケガをしてしまうことがあります。

また、熱いもので火傷をする危険性もあります。

ですから、麻酔が解消されるまで、食べることは回避しなければなりません。

そして、食事を再開するときにも、やわらかめのあまり噛まなくてもいいような食事の方がいいのかもしれません。

早期治療が大事

歯科医院だけのお話しではなく、医療の分野において治療は早期発見・早期治療が原則です。

そして、大事なのは予防することです。

症状が起きてしまってからの治療では、どの医療の分野でも治療のハードルが自ずと高くなります。

毎年、健康診断をする方々の人口は増え続けているのですが、歯科においても、定期検診はとても大事なポイントです。

歯科治療はそもそも直接の死の原因になることがないという意味合いから、症状が出てから治療を考える方々がとても多いのです。

しかし、症状が出てしまってから治療を行うのでは、やはり痛みが強く出てしまうでしょうし、神経を抜いたり、抜歯しなくてはいけなかったりと、困難を極め、さらに治療費や時間も余計にかかってしまうことでしょう。

ですから、あまり受けたことがないという方々は、まず検診することを意識されれば、歯の痛みだけでなく、麻酔の痛みからも解放される可能性があります。

 

どうして歯ぐきが下がってしまうのか 原因と対策について考える

2024年10月7日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

最近、歯ぐきが下がってきたと感じることはないでしょうか。

歯ぐきが下がってしまって、歯の根っこが露出して見える状態のことを、「歯肉退縮(しにくたいしゅく)」という呼び方をしています。

歯ぐきが下がってしまい、歯と歯ぐきの境目が広くなれば、細菌に感染しやすくなり、むし歯にもなりやすいため注意が必要です。

歯ぐきが下がれば、以下のような症状が起こるでしょう。

・冷たいもの、熱いものを食べると、歯がしみて痛く感じる

・歯が長くなったように感じる

・歯と歯の間に食べ物がよく挟まるようになった

・最近なんだか歯がグラグラしている

 

歯肉退縮はどうして起こるの?

どうして歯肉退縮が起こるのでしょうか。

まず、お口の中の病気が原因である可能性があります。

また、日常的な歯のケアや、生活習慣の影響などいろいろな原因を考えることができます。

歯周病

歯肉退縮になる大きな原因は、歯周病(ししゅうびょう)が挙げられます。

歯周病は、歯の表面や、歯と歯ぐきの境界部(歯周ポケット)に溜まってしまった歯垢(プラーク)に棲みついた歯周病菌によって、歯ぐきが炎症してしまったり、歯を支えている骨が破壊してしまったりする病気です。

歯周病の初期症状は、歯ぐきが腫れたり、血が出たり、赤みがでます。

そのまま治療せず進行すると、歯周ポケットが深くなり、歯ぐきは下がってくるでしょう。

歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けだして、歯がぐらついてしまったり、歯根が露出してしまったりと言った症状もあらわれます。

最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう危険もあるため、できるだけ早く歯科医院で治療が必要です。

それでは、どうして歯周病になってしまうのでしょうか。

原因は、日常的に行われるはずの、歯のケアがされていないためです。

ただし、生まれつき免疫力が低く、遺伝により歯周病になりやすい方々もいます。

歯磨きのしすぎ

一生懸命毎日歯を磨いているから、歯周病になんてなるはずはないと考える方々もいるのかもしれません。

しかし、実は、一生懸命頑張って歯磨きしてしまうことで、歯ぐきにダメージを与えてしまい歯肉退縮を引き起こすことがあります。

歯磨きが不充分だと、それは、歯周病の大きな原因になります。

結局どうすればいいかということですが、みなさんそれぞれが正しい歯磨きの方法をしっかりマスターしなければならないということです。

当歯科医院では患者様に対して、正しいブラッシングの指導をさせていただいています。

 

歯並びや噛み合わせの問題

また、歯並びや噛み合わせが悪いために、部分的に余計な力が加わってしまい、歯ぐきに負担がかかり歯ぐきが下がってしまうことがあります。

横方向へと力が入れば、歯肉退縮が起こりやすいため、歯ぎしりや食いしばりのクセをお持ちであれば、注意が必要です。

歯並び、噛み合わせが悪い方々の場合、磨きにくい部分が多く出来てしまうため、歯垢が残ってしまい歯周病のリスクを高めてしまうことでしょう。

矯正や虫歯治療が原因となることも

また、歯ぐきが下がってしまうのは、歯科医院での矯正治療やむし歯治療が原因となることもあります。

たとえば、矯正装置を使っていて、装置の不具合によって歯や歯ぐきに対して過度な力が加わってしまうと、歯肉退縮になる可能性が高くなります。

また、むし歯治療でも、詰め物や被せ物をして、それらの調子が悪くて歯や歯ぐきに過度な力が加わることがあり、被せ物が歯ぐきに触れることで歯ぐきが下がってしまうことがあります。

ホルモンバランスの影響

また、歯ぐきが下がってしまうのは、ホルモンバランスの影響も考えることができます。

女性ホルモンには、特定の歯周病菌を増殖させてしまったり、歯周組織の炎症を悪化させたりしてしまう作用が報告されているため、女性の方々は男性の方々と比較して、歯周病になりやすいとも言われています。

そして、ホルモンバランスが変化する時期には、免疫力が低下してしまったり、唾液の量も減少することがあり、お口の環境が悪くなりがちであるため注意が必要です。

思春期の渦中にいる方々や、妊娠期の女性、更年期などホルモンバランスが変化するタイミングは、歯肉退縮が起こりやすいです。

エイジング

また、高齢化すると、歯ぐきが下がってしまう問題を抱える方々が増えてきます。

それは、他の組織と同じように、年齢を重ねれば、もろくなってしまうでしょうし、萎縮してしまうからです。

エイジングによって歯ぐきが痩せてしまえば、歯ぐきが下がったように見えてしまうでしょう。

タバコが原因かも

タバコに含まれているニコチンには血管を収縮する作用が、一酸化炭素には血液中の酸素が運ばれるのを邪魔をして酸欠状態を起こす作用があるのをご存じでしょうか。

日常生活でタバコを吸う習慣をお持ちであれば、健康な歯ぐきを維持するのに必要な栄養や酸素の循環が悪くなります。

また、タバコを吸うことで殺菌作用が期待できるはずの唾液の量も減少してしまうため、歯周病のリスクも高めてしまうことでしょう。

 

歯肉退縮の対策について考える

どうすれば、歯肉退縮をこれ以上後退しないように防ぐことができるか、考えるのは今です。

以下のような方法を心掛けてください。

正しい歯磨きの方法を身につける

歯肉退縮が、間違った歯磨きが原因ならば、正しい歯磨きの方法を身に着けることです。

意外と多くの方々が、正しい歯磨きの方法をマスターしないまま過ごしてしまっているようです。

100g〜200g程度のブラッシング圧が良いとされており、歯ブラシが歯に触れたとき、歯ブラシの毛先が広がらないくらいの力が妥当です。

ペンを持つように歯ブラシを握れば、余分な力が加わりにくくなります。

また、毛の硬さはやわらかめのものを購入すると、歯ぐきへの負担を減らすことができます。

表側の歯を磨くときは、歯と歯ぐきの間に歯ブラシを当てて、歯ぐきをマッサージするような感じで小刻みにブラシを動かしてみましょう。

また、前歯の裏側を磨く場合は、歯ブラシを縦に当て、歯垢を掻き出すように動かしていきます。

奥歯の裏側を磨く場合、歯ブラシを45度位に斜めにして、小刻みに動かしていきます。

また、奥歯の噛み合わせ部を磨くとき、届きにくい場所もあるでしょうけど、しっかり歯ブラシを当てて小刻みに動かしてみましょう。

歯と歯の間を磨く場合、毛先をとどめながら、小刻みに動かしていきます。

歯と歯ぐきの境目を磨くときは、境目に歯ブラシが触れるよう斜めに毛先を当てて小刻みに動かしていきます。

このような流れを見ると、結構、歯磨きって大変な作業です。

ただし、習慣づけることで、正しい歯磨きが身につき、1日でも早く方法を身に着けてみましょう。

まずは、面倒くさいと思っても正しい方法をマスターすることからです。

フロスを使う

歯磨きの方法だけでは、なかなか歯と歯の間に溜まった歯垢を取り除くことが難しいです。

そこで、フロスを使っていつもお口の中を清潔に維持しましょう。

フロスは、必要な長さに切断して指で操作させる糸巻きタイプと、ホルダーにフロスがついているものがあります。

指で操作するのは難しい…という方々もいらっしゃるので、フロスを使用するのがはじめてという方々は、ホルダータイプがおすすめです。

 

歯石沈着を防ぐ効果を期待できる歯みがきを購入

歯垢(プラーク)が長期間歯の表面に残ってしまえば、唾液に含まれているカルシウムやリン酸が歯垢に沈着、石灰化し、硬い歯石になってしまうことでしょう。

歯石となれば、日常の歯磨きでは頑張ってもなかなか取ることができません。

しかし、そのままの状態にしておけば、細菌が増殖してしまい歯周病や歯肉退縮のリスクをより高めてしまいます。

歯石の沈着をできるだけ防ごうと思えば、そのもととなる歯垢をつかなくするための日々の歯磨きがとても大事です。

そこで当院でもおすすめしたいのが、歯石の沈着を防ぐ効果を期待することができる歯みがきを購入して、使用することです。

歯科医院でクリーニング

頑張ってご自身でケアをしても、残念ながら完全に歯垢や歯石を取り除くことはなかなか難しいことです。

噛み合わせの問題や、間違った歯磨きをしているなど歯ぐきが下がってしまう原因はそれぞれの方々によって違いもあるため、歯肉退縮を防ごうと思えば、根本的な問題を把握して、解決を目指すことが大事です。

当院のクリーニングでは、歯周病やむし歯、また、噛み合わせの検査や専門器具を使った歯垢や歯石の除去、さらに、歯磨きの指導を行っています。

むし歯が痛いから歯科医院へ行くというだけでなく、定期的に歯科医院で検診を受けることで、歯や歯ぐきに異常があれば、早期発見し、早期治療を行うことができます。

歯科医院の検診は、3〜6ヶ月を目安にして受けるのがおすすめです。

日々お忙しいでしょうけど、歯肉退縮にならないための最善の対策についても考えるようにしましょう。

 

歯にも寿命がある? 寿命を短くしてしまう理由を知る

2024年9月30日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

現在ある歯は、自分自身が生きている間ともに生きてくれるものだという認識の方々もいらっしゃるのかもしれません。

現在、日本人平均的寿命は男性は80歳、女性は87歳だと言われています。

ということは、一度歯は生え変わっているため男性80歳、女性87歳とは言わないですが、それに近い寿命であるはずなのです。

しかし、歯はそんなにうまくはいかず、これだけの長い期間、元気で生き続けるためにはそうとう心掛けも、ケアも必要です。

人間が健康でないと生き続けることができないように、歯も常に健康である必要があります。

通常であれば、永久歯の場合、上は14本、下は14本で、合計して28本の歯があります。

どなたに対しても言えることですが、この28本の歯全部を生涯、良好な状態のまま維持することは至難の技です。

おおかた歯の寿命は50~60年程度と言われています。

しかし、日ごろの生活スタイルや、歯に対してのメンテナンスによってはもっと寿命は伸ばすことが可能です。

逆に言えば、生活スタイルやメンテナンスによって人の寿命を縮めてしまうリスクもあるため充分に注意しなければならないポイントです。

 

歯は再生することができない?

子供のころ、一度歯は生え変わります。

中には、抜ければ何度も生えてくるような動物もいます。

それと比較すれば、なんで人間は、一回しか生え変わってくれないの?という気持ちにもなってしまうことでしょう。

皮膚は、ケガをすれば、高齢の方々でもふたたびもとの状態に戻ってくれます。

歯もそのようなものであればいいのですが。

想像の領域でお話しするに過ぎないのですが、人類が誕生したときには、乳歯から永久歯へと1回生えかわるだけで充分であると判断されたのだと思います。

大昔の人たちの寿命は、現在と比較すればおおよそ半分程度だったことでしょう。

歯というものは現代社会を生きる私達に順応しきれていない点はあるかと思います。

歯はこれから、進化していくのかもしれません。

私達人間が、あまりにもハイスピードで寿命を伸ばしてしまったから歯が追いついていないのかもしれません。

しかし、最近になって朗報も飛び込んできています。

それは、「歯生え薬」の実用化です。

「歯生え薬」の実用化に向けた治験を、京都大学付属病院でスタートすると、医学研究所北野病院などが発表をしています。

足りない歯を再生させるという世界ではじめての試みがこれから行われようとしているところです。

今後、生まれつき歯の数が少ない先天性無歯症の患者様に対しての再生治療薬として、2030年の実用化を目指していくということです。

もちろん優先すべきはそのような人たちでしょうけど、今後一般的歯科医療の領域でもそのような技術が採用されることを充分期待してもいいのではないでしょうか。

ただし、現状のことを言えば、まだまだすぐに実現する話ではないため、ひとりひとりがいまある自分の歯を大事にする姿勢はとても大事です。

8020運動とは?

8020運動(ハチマルニイマルうんどう)という言葉も頻繁に聞くことがあるでしょうか。

8020運動とは、80歳の年齢になっても自身の歯を20本以上維持しようという運動のことです。

8020運動は、疫学調査の結果をもとにして、厚生労働省と日本歯科医師会が提唱し、意欲的にスタートしています。

8020運動がはじまった平成元年当時の平均寿命は、男性の方々が75.9歳、女性の方々が81.8歳でした。

つまり、8020運動は20本以上の歯を生涯通じて持ち続けることを目標にしていると考えることができます。

現在のことを言えば、平均寿命は男女ともに既に80歳を大幅に超え、より健康な高齢期を過ごすための運動として8020運動が注目される機会が増えています。

 

歯の寿命を短くしてしまう原因

歯はどのような原因で寿命を短くしてしまうのでしょうか。

歯の寿命を短くする原因には以下のようなことを考えることができます。

歯周病

歯周病とは、歯の周辺で繁殖してしまった歯周病菌が歯茎に対してダメージを与え、次第に歯を支える歯槽骨を溶かしてしまう恐い病気です。

さらに、歯周病は「軽度」、「中度」、「重度」の段階に分けることができ、重症化してしまうまでは自覚症状がほとんど見られないことも多くあります。

気がつかないため歯周病が重度になれば、歯を支える力が失われてしまうため、少しの衝撃でも歯がグラグラしてしまうことがあります。

食べ物を噛むときの衝撃や、舌で触っただけでも歯が抜けてしまうこともあるのです。

ここまで進行してしまえば、治療することもかなり困難を極め、やむなく抜歯しなければならない事態になってしまいます。

むし歯

むし歯が重症化した場合も、有効な治療はと言えば、抜歯に限定されてしまうことがあります。

むし歯は歯周病と比較して、痛みの自覚症状が出やすいのですが、強い痛みを感じるようになったあと歯科医院にいらっしゃると、治療の選択肢の幅が狭まり、やむなく抜歯になってしまうケースも多いため注意する必要があります。

抜歯をしないで治療することができたとしても、詰め物の範囲が広ければそれだけもとの歯の多くを失ってしまいます。

また、歯科医院でブリッジ治療を選択する場合、むし歯と隣接する健康な歯を削ったり、抜歯したりする必要が出てきます。

むし歯を初期の段階で発見し、治療するためには、痛いから歯科医院に行くというのではなく、定期的に歯科健診を受診する生活スタイルをおすすめします。

破損

歯が抜けるに至る原因の多くが歯周病とむし歯ということになるのですが、一方で破損によって歯が抜けてしまうケースも散見することができます。

たとえば交通事故に遭遇してしまったり、スポーツをしている際にぶつかってしまったり転倒などで強い衝撃を受けた場合、歯が折れたり欠けたりすることがあります。

むし歯や歯周病と違って、このような突発的なアクシデントは避けようと思ってもなかなか避けることができません。

それでも、歯科医院として折れにくい、欠けにくい歯を育てていく向き合い方であればすることができます。

当院では、患者様に対して口腔ケアを欠かさない指導を行っていくとともに、ミネラル類やタンパク質をバランスよく摂取して、丈夫な歯を作られるようアドバイスさせていただいております。

歯の寿命をできるだけ延ばす方法

ここでは、歯の寿命をできるだけ延ばす方法について解説をします。

規則正しい食生活を維持する

規則正しい食生活を維持することが何よりも大事なことです。

ダラダラと食べ続ける習慣があると、むし歯になりやすい環境ができてしまい、容易に歯をなくしてしまうキッカケを作ってしまうことになります。

また、夕食を食べて、歯磨きをしてから睡眠するまでの間に間食をしてしまうと、結局は歯は汚れたままの状態で朝を迎えることになるため、このような生活習慣は改善が必要です。

また、甘いものややわらかいものばかりを食べることもよくはありません。

むし歯菌や歯周病菌などの細菌は糖分を栄養にしてどんどん増殖していき、さらに、やわらかいものばかりを食べる生活習慣では顎の骨が退化してしまうからです。

患者様ひとりひとりが歯にとって良いとされている栄養素も充分に摂取し、いつも規則正しい食生活を送るよう心掛けてください。

自宅でセルフケアを行う

むし歯や歯周病を防ごうと思えば、日々、お家で歯磨きなどのセルフケアを怠ることなく行うことが大事です。

食べ物のカスなどが原因となり歯に誕生する歯垢(プラーク)は、おおよそ300種類、また1億個もの細菌が存在します。

歯垢をそのままの状態で放置してしまえば、固まって歯石となり、自身では取れなくなってしまうため、そうなる以前に積極的にセルフケアを行うようにしたいです。

歯と歯の間に挟まったゴミがなかなか取れないケースもあるため、そのような場合には歯間ブラシなどを歯ブラシと併用し、汚れを落としてください。

歯磨きタイムはできるだけ毎回の食事の後に行うよう意識し、スケジュール的に難しい場合は、水で口をすすぐなどして、セルフケアを欠かさない意識が大事です。

歯科医院でメンテナンスを行う

そもそも歯石は自宅で行われるセルフケアだけではなかなか除去しきれるものではありません。

頑固な汚れを徹底して取り除きたいと思えば、歯科医院における専門的な治療が必要です。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるモチベーションがとても大事です。

歯科医院で定期的に健診を受ければ、万が一むし歯や歯周病にかかっていたとしても、早期発見することができ、早期治療へとつなげることができます。

いかがでしょうか。

セルフケアやメンテナンスを定期的に行い、規則正しい生活を心がけることで、歯の寿命はもっと伸ばすことができるようになります。

逆に言えば、そのようなことをしなければ、歯の方が先に死んでしまうことでしょう。

歯の死は、まさに人間の寿命を短くする要因です。

長寿には、健康な歯を維持することもとても大事であるため、現在の歯に対しての向き合い方も少しずつ変えてみましょう。

 

歯が弱い それは遺伝だから仕方ない…? あきらめるのはまだ早い!

2024年9月23日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

自分は歯が弱く、遺伝だから仕方がないと考えている方々もいらっしゃるのではないでしょうか。

当院にいらっしゃる患者様でも、自分の家系は、歯が弱く、将来自分も入れ歯になってしまうのでは…ということを不安視している方々もいます。

実際問題、歯の強い、弱いは、遺伝する問題なのでしょうか。

今回、ちょっとそのような問題に触れてみます。

 

歯の質は、親と似ている?

私の両親はずっとむし歯や歯周病で悩んでいました。私も親に似て歯は弱いのでしょうか…。

実際問題、こんな不安を抱いた方々って多いのではないでしょうか。

歯科医院の立場から、その答えについて言えば、YESでもあり、NOでもあるのです。

中途半端な回答で申し訳ないのですが、どうしてもそのような言い方になってしまいます。

歯が弱いのは遺伝? YESである理由

歯の質が親と似てしまっている原因が遺伝であると言える理由について、たとえば歯周病について考えてみましょう。

歯周病の直接的原因と言えば、細菌です。

この細菌自体は、なんら遺伝と関連するものではありませんが、それでも、歯周病の細菌が居心地がいいと感じるお口の中の環境自体が遺伝していることは充分想像できることです。

むし歯の発生には、元々の歯の質などが大きく影響している。

こう聞くと、やっぱり歯の質は遺伝なのか…という結論にいたる方々もいることでしょう。

むし歯になりやすい体質があるのでは?と遺伝を強調する姿勢も間違いではありません。

ただし、実際に親から遺伝するのは、歯の大きさや顎の骨格といった体格的要素が中心であり、すべてではありません。

むし歯の原因菌は、後天的に感染する

むし歯自体は遺伝しません。

お父さんやお母さんが相当なむし歯だからと言って、生まれたばかりの赤ちゃんがむし歯だらけで生まれるということはありません。

たとえば、むし歯の原因菌となるものは、赤ちゃんが可愛くてキスをしたり、食器を共有したりすることによって、お父さんやお母さんから子供さんへと後天的に感染していく可能性があります。

お母さんが出産する前に全部のむし歯をキレイに歯科医院で治療をし、良好な口腔環境を維持していたとしても、過去に一回でもむし歯で治療を受けていれば、ミュータンス菌を100%完全に死滅させることができている訳ではありません。

母乳による免疫が切れ、自身の免疫機能が安定するまでのおおよそ2歳半までは特に注意が必要だと言われています。

ミュータンス菌の感染は遅いほど、むし歯になる確率も低減させることができます。

歯が弱いのは遺伝? NOである理由

続いて、歯の質が遺伝によらないNOである理由についてです。

子供さんとお父さんお母さんとが同じような食生活、生活スタイルを送っていれば、同じような状況で歯周病になってしまう可能性があります。

当然、そのような生活スタイルであるという方々がほとんどでしょう。

この生活スタイルは、遺伝とは別物であるため、区別する必要があります。

必然的にみなさんの生活環境が共通しているため、歯の質が似通うこともあるのかもしれません。

ただし、歯の質を決める要素はそれだけではありません。

タバコや、ストレス、薬の長期服用…

タバコや、ストレス、また、薬を長期服用していたり、エイジングあたりも歯が弱い原因とすることができます。

また、糖尿病や白血病などの病気は、特に歯周病が発生しやすいといわれているため注意が必要です。

このようなことは遺伝とは直接関係せず、ごく個人的な生活環境が影響を及ぼしていると考えることができます。

ただし、それでも、タバコをなかなかやめることができないのは親がそうである遺伝体質ではないのか、ストレスを蓄積してしまうのは神経質な親の遺伝体質なのではないかと考える方々がいない訳ではありません。

確かにこの中でも、追求すれば遺伝的要素を少なからず切り離すことができないと考えられるものもあります。

 

歯の質は遺伝の可能性が多少はある

歯の質は、遺伝が関係していることがあるのかもしれません。

ただし、歯が弱いのは遺伝のせい、だからむし歯や歯周病になってしまうのは仕方がないとあきらめてしまうことは一番警戒しなければならないのではないでしょうか。

そう考えることには、何もメリットはありません。

そこで、遺伝は関係しているかもしれないけど、遺伝でない要素もたくさんあるため、何事に対しても投げ出さず向き合う意識をもつことが何よりも大事ではないでしょうか。

遺伝だから仕方がない。

遺伝が原因なんて世の中不公平なんだろう…などと嘆き、みなさんは、むし歯や歯周病対策をサボってしまっているようなことはないでしょうか。

歯の問題は、遺伝が関与しているかもしれません。

しかし、歯科の問題は、日々のみなさんの努力や、プラスして、歯科医院とのタッグで、乗り越えることができる問題なのです。

注意!むし歯になりやすい歯とは

子供さんの歯並びが悪かったり、顎の骨格が小さかったりすれば、汚れが溜まりやすくなりますし、歯磨きするのが難しくなり、むし歯になりやすくなる傾向があります。

指しゃぶりが、歯並びに影響してしまうことは一般的によく知られていることですが、歯並びや、骨格といった歯質も影響を及ぼす可能性は充分にあるため注意が必要です。

それだけでなく、以下のようなことにも注意する必要があります。

食事と食事の間隔が狭いことによって、歯の再生を促してくれる再石灰化を行う時間を作ることができないため、むし歯リスクを高めてしまうことになります。

また、食事をした後しばらく歯磨きをしなかったり、歯磨きをしても適当に磨いていたりすれば、歯についた汚れをキレイに取り除くことができないでむし歯になる可能性があります。

さらに、睡眠している間は唾液の量が急激に減少するため、お口の中は細菌がたくさん繁殖しやすい状態です。

食事したあと歯を磨くことはもちろんのことですが、できるだけ寝る前にはものを食べない生活習慣を、健康のためにも確立するといいでしょう。

また、舌を前歯の裏側に押しつけたり、頬杖をつくクセがある子供さんは、歯並びや、顎が成長するのに悪い影響が出てくることがあります。

さらに、やわらかいもの中心として食事しているような方々の場合、唾液の分泌が低下してしまい、再石灰化やむし歯菌が出す酸を中和する効果が弱まってしまうことがあります。

子供さんの成長期のいわゆるソフトフードは、筋肉をあまり使用せずに食事をすることで、筋肉の成長が促されないで顎が小さくなることがあります。

そして、狭い空間に歯が並んでしまうため、どうしても歯並びが悪くなり、歯垢がたまりやすくむし歯になりやすい状態になってしまうでしょう。

さらに、唾液の質もむし歯に関与しています。

唾液というものは、細菌の活動を抑制する仕事以外に、むし歯菌が作り出してしまう酸を中和させ、歯の修復(再石灰化)を促す効果も期待することができ、むし歯予防の機能を果たす大事な役目を持っています。

しかし、カルシウムイオンやリン酸イオンなど再石灰化に必要な成分が充分に含まれていない唾液の場合、充分な効果を得ることができません。

唾液の質は、突然、改善できるようなものではないのですが、できるだけ水分の摂取量を意識して、唾液を増やす試みは、比較的簡単に取り入れることができるのではないでしょうか。

歯が弱いのは、遺伝的要素である歯の大きさや顎の骨格だけでなく、日常の何気ない癖や習慣なども大きく影響していることがおわかりいただけたでしょうか。

むし歯になりやすい歯だという自覚がある方々の場合、歯磨きの仕方や、生活習慣を見直すことで予防率は格段にアップさせることができるでしょう。

歯科医院で定期的に診察を受けることも大事なことです。

できることから一歩ずつ行い、むし歯になりにくい歯に近づけていきましょう。

 

歯に良い食べ物って何?食べ物や飲み物を紹介!

2024年9月16日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

歯や口の中の状態を保つためには、歯磨きなどの日々のセルフケアは大事です。

その他にも、歯科医院での定期的なメンテナンスが大切です。

しかし、それ以外にも実は日々の食事において、歯に良い食べ物を食べることも大切なのです。

日々のメンテナンスも大事なのですが、普段の食事から気をつけることができたら簡単でいいですよね。

今日は日々の食事から、歯に良い食べ物についてのお話しをしていきたいと思います。

 

歯を強くする食べ物

歯に良い食べ物には、2種類あります。

1つ目は、歯を強くする栄養素が含まれる食べ物。

2つ目は、虫歯になりにくい食べ物です。

まずは1つ目の、歯を強くする食べ物をご紹介していきます。

歯を強くする栄養素は、カルシウム、タンパク質、ビタミンA・C・D、キシリトールです。

これらの栄養素が含まれる食べ物を食べることで、歯を強くすることができます。

1つずつ解説していきます。

カルシウム

カルシウムは、歯に多く含まれる栄養素です。

体のカルシウムの99%は、歯と骨に含まれていると言われているくらいです。

歯の一番表面にあるエナメル質を作る栄養素が、カルシウムです。

カルシウムが多く含まれる食べ物は、牛乳、チーズ、高野豆腐、小魚、キャベツなどです。

タンパク質

タンパク質は、体の成長や脳の成長に重要な栄養素です。

タンパク質は、エナメル質と歯の神経の間にある象牙質のもととなる成分です。

象牙質は、歯のほとんどを占めているため、タンパク質は重要な栄養素になります。

タンパク質を多く含む食べ物は、肉類、魚介類、納豆や豆腐などの大豆の加工食品、卵などです。

ビタミンA

カルシウムやタンパク質があるだけでは、歯が強くなることはできないのです。

これらにビタミン類が合わさることによって、歯が強くなります。

まずはビタミンAについて、解説します。

ビタミンAは、エナメル質を強くします。

これが不足すると、エナメル質の形成が邪魔され、歯の形成や成長が送れます。

ビタミンAを多く含む食べ物は、ほうれん草、かぼちゃ、にんじん、レバー、海藻類などです。

ビタミンC

ビタミンCは、象牙質を強くするために必要な栄養素です。

歯の赤ちゃんである歯胚の形成期に必要です。

この形成期にビタミンCが不足すると、象牙質が完全に形成されないのです。

また、歯肉に多く含まれるコラーゲンを生成するためにも、必要不可欠な栄養素です。

ビタミンCを含む食べ物は、小松菜、じゃがいも、みかん、海苔、ブロッコリーです。

ビタミンD

ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促す働きがあります。

カルシウムは歯を構成している大事な栄養素のため、カルシウムの吸収を助ける栄養素も必要です。

カルシウムが吸収されやすくなることによって、歯や骨が強くなります。

ビタミンDを多く含む食べ物は、しめじ、さんま、鮭などがあります。

マグネシウム

マグネシウムは、歯を支える歯槽骨を構成する重要な栄養素であり、腸管でのカルシウムの吸収を助けたりもしています。

マグネシウムが少なくなると、歯肉の血流が悪化し、その結果歯肉炎や歯周炎などの症状が起きやすくなります。

またこれらは一度起きると、症状を悪化させてしまうこともあります。

マグネシウムを多く含む食べ物は、大豆、海藻類、アーモンドなどです。

虫歯になりにくい食べ物

虫歯になりにくい食べ物には、以下の2種類があります。

・歯や舌についた汚れをこすり落とす食べ物

・口の中の汚れを洗い流す食べ物

1つずつ紹介します。

歯や舌についた汚れをこすり落とす食べ物

歯や舌についた汚れをこすり落とすには、食物繊維が豊富な食べ物がおすすめです。

食物繊維が含まれる食べ物は、糖質や油分が少ないのが特徴です。

そのため、噛み応えがあるので噛む回数が多くなり、唾液分泌が促進されます。

そのため食事をしながら、唾液で歯や舌の汚れを落としつつ、洗い流すことができます。

食物繊維が多く含まれる食べ物は、ゴボウ、セロリ、キャベツ、きのこ類などです。

口の中の汚れを洗い流す食べ物

唾液の分泌量を増やして、歯の汚れを洗い流すことも大切です。

また、虫歯は口の中が酸性になることで起こりやすくなります。

唾液は食後に酸性に傾いた口の中を中性に戻す役割もあります。

唾液の分泌量を増やす食べ物は、果物、海藻類、梅干しなどです。

歯周病になりにくい食べ物

歯周病予防には、しっかりと顎を使うことが必要です。

ビタミン、食物繊維、カルシウムを中心に摂取しながら、しっかりと顎を使える食べ物には、アーモンド、かぼちゃ、にんじん、小松菜です。

しっかり噛むことで唾液も分泌されるので、虫歯予防や歯周予防に繋がります。

歯に良いおやつ

おやつは歯にいい影響がない、というイメージがありますよね。

しかし、歯にいいおやつもあるんです。

糖分が少なくてカルシウムなどの歯にいい栄養素が含まれている食べ物です。

例えばヨーグルト、煮干しなどです。

また、甘い食べ物でも虫歯になりにくい甘味料が含まれているおやつなら虫歯になりづらいです。

虫歯になりにくい甘味料には、キシリトール、アスパルテーム、オリゴ糖などがあります。

これらの甘味料は、虫歯菌が作り出す酸の量が砂糖と比べて少ないのです。

特にキシリトールとアステルパームは、酸を全く作らないため、虫歯にならない甘味料なのです。

そのため、100%キシリトールやアステルパームのお菓子なら虫歯を心配する必要はありません。

 

歯に良い飲み物

歯に良い食べ物がある一方、歯に良い飲み物もあるのです。

例えば牛乳、緑茶、ウーロン茶です。

牛乳には、カルシウムやタンパク質、さらにはビタミンCとビタミンDが含まれています。

これらは、歯を強くする栄養素です。

そのため牛乳を飲むことで、歯を強くすることが可能です。

緑茶やウーロン茶のようなお茶には、カテキンやフッ素が含まれています。

カテキンは、抗菌作用があるため、虫歯や歯周病の原因となる最近の働きを弱くすることが可能です。

フッ素にも虫歯予防の作用があります。

 

虫歯になりやすい食べ物

ここまで虫歯になりにくい食べ物や飲み物を紹介してきましたが、虫歯になりやすい食べ物もあります。

虫歯になりやすい食べ物には、下記のものがあります。

・砂糖を多く含む加工食品

・粘着性の食べ物

・酸性が高い食べ物

砂糖は、虫歯菌の増殖を促進します。

そして酸を増やすため、虫歯が高まるのです。

特にガムや飴は、口の中にいる時間が長いため、より虫歯になりやすいです。

ガムなどの粘着性のべ物は、食べたあとにねばついたりするため、虫歯のリスクがさらに高くなってしまうのです。

飲み物も同様で、糖分や酸性が高い飲み物は虫歯になりやすいです。

炭酸飲料は酸性度が高いため、歯が溶けやすく、虫歯になりやすくなってしまいます。

スポーツドリンクやエナジードリンクにはも、実は糖分や酸が多く含まれているため、注意しましょう。

 

まとめ

以上で歯に良い食べ物についてのお話を終わります。

いくら歯に良い食べ物を食べていたからといって、虫歯や歯周病を完全に予防することは難しいです。

歯にいい食べ物を食べる他に、日々の歯磨きなどのセルフケア、歯科医院での歯科の定期健診は必要不可欠です。

もし、歯にいい食べ物を食べているだけで不安な方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

加齢によって口トラブルが増える?予防するには?

2024年9月9日

こんにちは、はやし歯科クリニックです。

今回は、加齢に伴う口トラブルについてお話ししていきます。

歳を重ねるごとに「口臭が気になる」「口の中がネバネバする」など、気になることが増えてきませんか?

それは、加齢によって体が変化するように、お口の中も変化して、トラブルが増えていきます。

今回は、加齢によって見られる症状と、予防となる口腔ケアについてお話ししていきます。

 

1.唾液が減る

加齢により唾液が減ることにより、お口の中が乾燥することを「ドライマウス(口腔乾燥症)」といいます。

唾液には、口腔内をキレイに保つ自浄作用があります。

唾液による自浄作用がうまくいかなくなると、口臭、虫歯や歯周病などのトラブルに繋がっていきます。

それ以外にも、口が開けにくい、味覚を感じにくい、などの症状も出てきます。

2.虫歯や歯周病になりやすい

加齢により歯ぐきが下がると、歯の根っこが露出してしまい、歯と歯の間に隙間ができて、そこから虫歯になる危険性が高くなります。

また、歯の詰め物や被せ物の隙間に汚れが溜まってしまい、知らない間に虫歯になっていたというケースもあります。

3.味覚が感じにくい

人は、舌の表面にある小さな器官・味蕾(みらい)で味を感じます。

この味蕾は、加齢により徐々に減少していきます。

また、唾液の量が減ると、歯や舌に汚れが付きやすくなり、味を感じにくくなったりします。

偏った食生活による栄養不足も、味覚が感じにくい原因の1つです。

4.歯が黄ばむ

歯の表面のエナメル質は、加齢はもちろん、歯磨きや食事によって少しずつ薄くなっていきます。

エナメル質が薄くなると、歯の内側にある黄色い象牙質が透けて見えるため、歯が黄ばんで見えるようになります。

また、加齢によって象牙質の黄ばむも少しずつ強くなっていくので、さらに黄ばみが進んでいきます。

加齢によって様々な口トラブルがあるのですが、予防するにはどうすればいいでしょうか?

大事なのは正しい口腔ケアと歯医者による専門的なケアです。

口腔ケアについて

口腔機能が低下すると、噛みにくい、むせやすいなどにより、食事がうまく摂れなくなり、十分な栄養を摂取することが難しくなります。

栄養不足状態が続くと、体の機能低下や認知症の進行、さらには摂食障害や誤嚥性肺炎などになる可能性があります。

口腔ケアは歯をキレイにするだけではなく、誤嚥性肺炎の予防といった身体機能面にも大事な効果があります。

詳しく説明していきます。

1.口腔健康の維持、向上

加齢と共に歯周病になりやすくなり、歯周病はあまり痛みがないため気づいたときには症状がかなり進んでしまい、自分の歯を失ってしまうケースがあります。

口腔ケアにより歯垢の除去、口腔内がキレイになり、虫歯や歯周病の予防につながります。

口腔内が清潔になると、唾液の分泌が促進されます。

また、口腔ケアで唾液腺を刺激することでも、唾液の分泌が増えることは重要なことです。

2.全身疾患の予防

口腔ケアは、単に虫歯や歯周病を予防するだけでなく、全身のあらゆる疾患の予防になると考えられています。

歯周病と関係があるとされている糖尿病や心筋梗塞はもちろん、嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎を予防するため、口腔ケアは重要です。

誤嚥性肺炎とは唾液や食事などが肺に入り、肺で炎症を起こすことをいいます。

日本人の全死亡原因の3番目に多いのが肺炎です。

この肺炎を起こすほとんどがこの誤嚥性肺炎といわれています。

口腔ケアによって、口の中の細菌を減らすこと、嚥下機能を保つことで誤嚥性肺炎を予防することが期待できます。

3.口臭予防

口臭の原因は、虫歯や歯周病が進行する過程において膿が発生します。この膿が口臭の原因となります。

また、唾液量が減少すること口腔内の汚れがたまり、膿がさらに増えます。

虫歯や歯周病がある限り、口臭はなくなりません。

口腔ケアを行い、口の中の歯周病やむし歯、舌の汚れ(舌苔)などを綺麗にすることで細菌を減らし、口臭を予防していくことができます。

 

4.QOL(生活の質)の向上

口腔内の状態は、QOL(生活の質)にも影響すると考えられています。

日々口腔内のケアを行うことで、気分がスッキリし、精神面でも良い効果が期待されます。

口腔ケアをすることにより、口臭予防や自分の身の回りのことを行うことで、自信につながり、コミュニケーションの改善につながります。

口腔内を健康に保つことで、いつまでも自分の口から食事をとり、食事をおいしく楽しめるようになります。

ご家族やお友達とコミュニケーションがとれることは、QOL向上するには重要であります。

効果的な口腔ケアのやり方

次に日々行える効果的な口腔ケアを紹介していきます。

1.歯磨き

口腔ケアの基本となるのは、やはり毎日の歯みがきです。

毎食後に歯磨きをする習慣をつけましょう。

歯ブラシは鉛筆を持つように持ち、力を強く入れず、歯ぐきを傷つけないよう痛くない程度の力で行います。

入れ歯を使用している場合は外し、汚れがたまりやすい歯と歯の間など念入りにブラッシングしましょう。

歯ぐきをやさしくマッサージすると、歯周病の予防にもつながります。

 

2.うがい

いつでも簡単にできるうがいも、口腔機能を保つうえで重要です。

デンタルリンスを使うのもオススメです。

「ブクブクうがい」と「ガラガラうがい」の両方を繰り返すことで、口周りの筋肉が鍛えられ、口腔機能の向上が見込めます。

 

3.入れ歯の手入れ

入れ歯を使っている場合は、入れ歯のケアも適切に行いましょう。

入れ歯に汚れがある場合は、口臭の原因にもなります。

入れ歯は、ぬめりや汚れが残りやすいため、入れ歯専用のブラシで優しくブラッシングした後に入れ歯洗浄剤に浸しましょう。

4.口腔体操

•大きく口を動かして「あー」「んー」の発声

•「パ」「タ」「カ」「ラ」の音をはっきり発音

•口をすぼめて「うー」、口を横に開いて「いー」発音

•頬を膨らませて、すぼめるを繰り返す

•ゆっくり大きく口を開いて、ゆっくり口を閉じるを繰り返す

これらをすることで口周りの筋肉を動かし、唾液の分泌を促進させます。

また、口周りの筋肉を鍛えることにより、よく噛めるようになったり、むせにくくなります。

5.唾液腺マッサージ

唾液の分泌を増やすために唾液腺を刺激することを唾液腺マッサージといいます。

お口の中には唾液腺があり、耳の下や顎の下、頬を円を描くようにマッサージしましょう。

マッサージすることで、唾液を出やすくなります。

そうすると、口腔内の自浄作用が働き、口臭予防や虫歯予防に繋がります。

また、食事前に唾液腺マッサージを行うと、更に効果的です。

セルフケアとプロフェッショナルケアについて

口腔ケアには「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」があります。

セルフケアとは、日々自分で歯磨きやフロスを行う口腔ケアの事です。

一方、プロフェッショナルケアとは、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が口の中を見て、専門的なケアとアドバイスをすることです。

当院のケア内容としては、歯石や汚れの除去、虫歯や歯周病などの異変の有無、口腔機能の維持と回復、口腔ケアの指導、食生活のアドバイスなどです。

口腔内と体の健康を保つには、セルフケアとプロフェッショナルケアの両方を取り入れることが不可欠です。

定期的な定期検診など、悩みがあるときは当院にご相談ださい。

 

治せるの?気になる口臭の原因と治し方を解説!

2024年9月2日

こんにちは。

「はやし歯科クリニック」です。

なんだか口臭が気になる…。

そんな方は多いのではないでしょうか?

今回は口臭が気になる方へ、口臭の原因と治し方をお話したいと思います。

口臭の原因

そもそも口臭の原因は、なんでしょうか?

実は口臭には、様々な種類があるのです。

具体的にどのようなことが原因で、口臭が発生するのでしょうか?

ここからは、口臭の原因について解説していきます。

 

生理的口臭

生理的口臭とは、誰にでも発生する口臭のことです。

例えば、朝起きてすぐや、口が乾いている際は、口臭が気になりますよね。

このような口臭は、唾液の量が減少し、細菌が増加することが原因です。

誰でも発生する可能性があるため、防ぐことは難しいです。

病的口臭

病的口臭とは、病気が原因で発生する口臭のことです。

例えば、虫歯や歯周病、胃炎、肝疾患、糖尿病などの病気から発生することが多いです。

病気の種類によって、臭いの種類にも違いがあります。

胃炎が原因の口臭は、ドブの臭いや塩素の臭いがします。

糖尿病が原因の口臭は、甘酸っぱい臭いがするのです。

外因的な口臭

外因的な口臭は、ニンニクやネギ、コーヒーのような臭いが強い食べ物を食べあとに発生する口臭のことです。

また、タバコやアルコールを摂取した後にも発生します。

一過性のもののため、歯磨きをしたり、時間が経過することで口臭は消えていきます。

こういった口臭は、長くても48時間程度しか体内に留まりません。

ストレスが原因の口臭

口臭は、ストレスによっても発生します。

人はストレスを感じると、唾液の量が減ります。

唾液の量が減ると、口の中の細菌が増殖して口臭になるのです。

心理的口臭

心理的口臭とは、周りの人も口臭を感じず、検査でも口臭が検知されていないのに、本人が口臭をしていると思い込んでしまう症状のことです。

子供のころに口臭を指摘された、会話中に相手が鼻を触ったり顔をそむけたなどのことが原因となります。

口臭の予防方法

これらの口臭を予防することはできるのでしょうか?

ここからは口臭の予防方法を紹介します。

歯磨きをする

一番簡単でシンプルな予防方法です。

口臭の原因は口の中にあることが多いです。

食べカスなどが舌の表面に付着して細菌が繁殖します。

これが原因で口臭になることもあるのです。

そのため、食べたあとは歯磨きをして食べカスをしっかり除去しましょう。

 

口腔内の乾燥を防ぐ

先ほども述べた通り、唾液の量が減り口腔内が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなります。

そのため、唾液の量を増やすことが大切です。

唾液の量は、咀嚼によって増えます。

例えば、食事をよく噛んで食べたり、ガムを噛んだりすることが有効です。

また、ストレスや緊張で唾液の量が減ることもあります。

リラックスして、口呼吸を減らしてみることも有効です。

禁煙する

タバコも口臭の原因となります。

タバコを吸うことで、ニコチンやタールの臭いが口腔内に残ります。

こういった直接的な口臭が発生することはもちろん、タバコは唾液の分泌を抑制してしまうのです。

健康に様々な害を及ぼしてしまうため、これを機に禁煙を検討してみましょう。

 

口臭治療とは

とはいっても、どれだけ予防しても口臭の発生を完全に防ぐことは難しいです。

そんな口臭が発生した場合、治療は可能なのでしょうか。

結論、治療は可能です。

口臭治療は、歯医者で行うことが可能です。

なぜなら、虫歯や歯周病が原因で口臭が発生することがあるためです。

では具体的に、どのような治療が行われるのか、解説します。

虫歯治療

虫歯がある場合は、まず虫歯の治療から行います。

虫歯の口臭は、生ごみのような臭いと言われることが多いです。

この臭いは、虫歯でできた穴の中に溜まっている食べカスが、細菌によって分解される家庭で発生します。

この食べカスや、虫歯菌が穴の中にたまると、細菌が繁殖して臭いがきつくなります。

さらに虫歯が進行すると、タンパク質でできている歯の神経まで到達します。

このときタンパク質が腐敗し、これが口臭の原因となることがあるのです。

また、虫歯の治療による差し歯や入れ歯の清掃がよくできていないことで口臭が発生することがあります。

歯周病治療

歯周病が原因で口臭が発生することもあります。

歯周病による口臭は、息を吐いただけでもかなり臭うことがあります。

歯周病による口臭の原因は主に、歯周病菌によるものです。

歯周ポケットの中に生息している歯周病菌は、食べカスなどを餌にしています。

この餌を食べた歯周病菌が、餌を分解する過程で発生する気体が臭いの原因となります。

食べカスなどが、歯周ポケットの中で発酵しているイメージです。

その他にも、歯周病が進行したことによりたまった、歯茎の膿が口臭の原因となることもあります。

膿の中には、細菌や細胞の死骸がたくさん含まれています。

これらが歯周ポケットに漏れ出ることで、悪臭を放つのです。

口腔内の清掃

舌などの口腔内の清掃を行うことも効果があります。

虫歯や歯周病がない場合でも、歯磨きだけでは口腔内に汚れが残っていることがあります。

歯医者でクリーニングをすることで、口臭の予防をすることが可能です。

また、歯の磨き方の指導が行われることもあります。

口臭治療では、患者さん自身の歯磨きの努力が必要不可欠です。

歯磨きをおろそかにすることで、口臭が治るまでの期間が長引くこともあります。

正しく歯磨きをすることで、口臭の早期改善に繋がるのです。

また、歯医者でのクリーニングは定期的に行いましょう。

口臭を予防するだけでなく、虫歯を早期発見することもできます。

 

口の中の病気が原因ではない場合

口臭の約90%が口の中の病気によりますが、口の中の病気以外による口臭もあります。

例えば先ほども述べた通り、糖尿病や胃炎によるものです。

その場合は、歯医者ではない病院への受診が必要です。

また心理的口臭の場合は、心療内科などの受診をおすすめします。

しかし、口の中の病気が原因かどうかを、患者さん自身で判断するのは難しいです。

そのため、口臭が気になるときは、まず歯医者への受診をしましょう。

口臭治療の流れ

ここからは、実際に口臭治療を行う流れを解説します。

歯医者ではまず、虫歯や歯周病によって引き起こされる病的口臭の検査を行います。

検査の種類の例は以下の通りです。

・虫歯の検査

・歯周病の検査

・舌苔の検査(舌の上の汚れの量に異常がないかを検査する)

このような検査を行った後、治療を進めていきます。

口臭治療は保険治療?

そんな口臭治療は、保険適用なのかどうか気になるところです。

結論、口臭治療は保険が適用されます。

通常の虫歯や歯周病の治療と同様、保険で治療することが可能です。

しかし、虫歯や歯周病の進行が進んでいると、治療が長引くことがあります。

治療の回数が増えれば増えるほど、治療にかかる費用も増えていきます。

その間口臭が治らないだけでなく、虫歯による痛みもありますので、口臭が気になる方は、早めに歯医者へ受診をしましょう。

まとめ

以上で、口臭治療の原因と治療についてのお話を終わります。

口臭は自分が気になるだけでなく、周りの人にも迷惑をかけることになってしいます。

口臭は自分で予防することも可能ですが、限界があります。

自分での歯磨きで綺麗にならないような汚れは、定期的に歯医者でクリーニングすることで綺麗に掃除することができます。

そのため、口臭が気になる方は歯医者を受診し、定期的なクリーニングをおすすめします。

もし、口臭が気になったり、虫歯が原因である心当たりがある場合は、是非一度当院にご相談ください。

本当に効果はあるの?マウスピース矯正の特徴やメリット・デメリットを解説!

2024年8月26日

こんにちは。「はやし歯科クリニック」です。

歯科矯正には、いろいろな種類があるということをご存知でしょうか?

今回は歯の矯正を考えている方へ、マウスピース矯正の特徴や注意点についてお話ししたいと思います。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正の最大の特徴は、治療期間が短く、着けていても目立たないという点です。

たしかに歯科矯正と言えば、ワイヤーをつけて、矯正しているのがわかるくらい目立つというイメージがあります。

だからこそ、マウスピースを着けるだけで、本当に歯が動いて綺麗な歯並びになるのか?という疑問が浮かびます。

ここからは、マウスピース矯正で歯が矯正される仕組みについてお話します。

 

マウスピース矯正の仕組み

マウスピース矯正は、形の異なるマウスピースをいくつか作成し、それを定期的に交換して治療をしていくものです。

そうすることで、少しずつ歯とマウスーピースのズレによる圧力を歯に掛けながら、歯が動いていくのです。

マウスピースを作成する際は、歯にかかる力や角度、距離などを計算します。

一方ワイヤー矯正は、歯に装着するワイヤーの力で歯を動かしていきます。

定期的に歯科医師が、歯の動きを考慮してワイヤーを曲げ、土台に装着します。

そしてその曲がったワイヤーが元に戻る力によって、歯を動かしていくのです。

歯科医師の手作業でワイヤー調整が1ヶ月に1回ほどあるため、通院期間がマウスピース矯正と比べて長くなってしまいます。

マウスピース矯正で治療できる範囲

マウスピース矯正で治療できる範囲は、主に2つあります。

1つ目は、奥歯を含めた歯列全体です。

2つ目は、前歯を中心とする部分です。

歯科医師が歯の状態を確認し、どの方法で治療をしていくのか計画を立てます。

一般的に、2つ目の前歯を中心とする矯正の場合の方が、治療費用は安価です。

しかし、奥歯を含めた歯列全体の矯正の場合は、ワイヤー矯正と同じくらい費用がかかってしまう場合もあります。

マウスピース矯正のメリット

ここからは、そんなマウスピース矯正のメリットをお伝えします。

着けていても目立ちにくい

歯科矯正といえば、歯にワイヤーをつけて矯正することが一般的なため、矯正中はかなり目立ってしまいます。

しかし、マウスピース矯正に使うマウスピースは、透明なプラスチック製のものです。

透明で薄いため、歯科矯正中であることが気づかれにくいのです。

口を開けても目立たないため、人と話す職業の方や、見た目を特に気にする思春期のお子様にとっては大きなメリットとなります。

 

痛みが少ない

ワイヤー矯正は、歯が引っ張られる力が強いため、痛みを感じる方が多いです。

しかしマウスピース矯正は、装着時の痛みはほとんどありません。

脱着時に動かされていた歯が、引っ張られる感覚もありますが、ワイヤー矯正に比べると痛みが少ないのです。

慣れてしまえば、全く痛みを感じない方もいるくらいです。

衛生的

ワイヤー矯正は、自分で取り外すことはできず、24時間ずっと着けている必要があります。

一方マウスピース矯正は、自分で簡単に外すことができます。

つけっぱなしが基本ですが、食事中などは外すことができるのです。

ワイヤー矯正の場合、器具の間に食べ物が詰まってしまうことがありますが、マウスピース矯正は、その心配がありません。

お手入れもできるため、衛生面で安心です。

虫歯になりにくい

このようにマウスピース矯正は、自分で器具を取り外すことができるため、歯磨きもしやすいです。

器具に食べ物が詰まってしまい、それを綺麗に磨きづらいという心配もないため、虫歯や歯周病になるリスクが低いのです。

また、虫歯治療やホワイトニングのような歯科治療を並行して行うことも可能です。

通常歯科矯正は、虫歯の治療が終わるまで待つ必要があったり、虫歯が見つかった場合は矯正を中断する必要があったりすることもあります。

しかし、マウスピース矯正はその必要がないため、スムーズに治療を進めることができるのです。

金属アレルギーの心配がない

ワイヤー矯正で使われるワイヤーなどは金属製です。

金属アレルギーがある方は、治療を受けるのは難しいですし、金属アレルギーが心配という方もいらっしゃいます。

しかし、マウスピース矯正で使用するマウスピースはプラスチックのため、金属は使用されていません。

金属アレルギーの方や、金属アレルギーが心配という方でも、安心して利用することができるのです。

マウスピース矯正のデメリット

一方で、マウスピース矯正にはデメリットもあるため、ご紹介します。

複雑な歯並びだと対応不可の場合がある

抜歯を行って口元を大きく変えなければならない出っ歯や受け口の場合、マウスピース矯正で改善が難しい可能性があります。

顎の大きさのバランスの違いや、顎のズレのような骨格に問題がある場合も同じです。

また、強いねじれや大きく歯を動かさなければならない場合は、マウスピース矯正ではかなり時間がかかることもあります。

時間がかかると費用もかさんでしまうため、患者さんの負担が増えることとなります。

このように複雑な歯並びの場合は、ワイヤー矯正の方が向いています。

しかし、患者さんの歯や口の状態によってワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらが向いているかは異なります。

自分の歯はどちらに向いているかが気になる方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

長時間着用する必要がある

マウスピース矯正は、自分で簡単に取り外すことができるのが大きなメリットです。

しかし、だからといって外している時間が長いと、矯正の効果が薄れてしまいます。

一般的にマウスピースの装着時間は、1日20時間以上です。

食事と歯磨き以外の時間は装着する、ということが基本です。

そのため、慣れるまでは装着時間が長いことにストレスを感じてしまうかもしれません。

マウスピース矯正は期間が短いこともメリットですが、着用時間が短い場合は、計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなることもあります。

自分で脱着をコントロールできてしまう分、自己管理が必要となるのです。

お子様の場合は特に、気になって外してしまう子もいる可能性があるため、親がお子様へ、歯科矯正について理解をさせることが重要です。

マウスピース矯正は子供でも可能?

結論として、マウスピース矯正は子供でも可能です。

3~5歳頃から始めるのが、理想的です。

子供のマウスピースは、歯並びを整えることが目的ではありません。

将来生えてくる永久歯が、綺麗に並ぶための土台作りが一番の目的です。

そのため、成長過程にある子供のうちに、マウスピース矯正で土台を綺麗に作っていくのです。

指しゃぶりをしていたり、口呼吸をしている場合は、顎のバランスが悪くなることがあるため、マウスピース矯正で顎のバランスを整えていきます。

3歳児検診などで指摘をされた場合は、ぜひ一度当院にご相談ください。

 

まとめ

以上でマウスピース矯正の特徴と、メリット・デメリットについてのお話を終わります。

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて見た目が目立たなかったり、取り外しが簡単な点でメリットが大きいです。

そのため矯正をするならマウスピース矯正がいいという方も多いです。

しかし、歯並びの状態によっては、マウスピース矯正が向いていない場合もあります。

もし歯並びが気になったり、マウスピース矯正が可能なのかどうか気になることがあれば、ぜひ一度当院にご相談ください。

親知らずを放置していませんか?

2024年8月19日

こんにちは。はやし歯科クリニックです。

「子供の頃は親に連れられて、歯医者に通っていたけれども、しばらく通っていない…。」

「最近、奥歯に違和感を感じる…これが親知らず?」と不安に思われている方、いらっしゃるかと思います。

親知らずの説明と、抜歯方法について説明致します。

親知らずって何?

親知らずの正式名称は、第3大臼歯といいます。

智歯とも呼ばれています。

最後の方に生えてくる大臼歯(奥歯)であり、生えてくる時期としては一般的に20歳前後です。

「親知らず」の由来は、成人後、親に知られることなく生えてくる歯であることから、とも言われています。

親知らずは通常、上下左右計4本ありますが、親知らずのない人、親知らずがあっても生えてこない人もいます。

現代において歯列とみなされるのは、親知らずの1本手前の第2大臼歯までであり、親知らずはなくてもよい歯、機能しない歯となっています。

親知らずが正常に生えていれば問題はないのですが、下あごの親知らずは、完全に埋まっていて生えてこない、又は、傾いて一部だけ生えている、といったケースもよく見られます。

歴史をさかのぼると、縄文時代では、骨の中に埋まったり、傾くなどはほとんどなく、まっすぐに生えていました。

その後、食生活の変化により、埋まったり、傾いているケースが徐々に増えていきました。

高度経済成長以降の大きな食変化により、噛まなくて良い食品が増えることで、あごの骨の成長が昔に比べ困難となりました。

その為に、奥歯の生えるスペースが確保できなくなってしまったことで、骨に埋まったり、傾いた親知らずが増えてしまったと考えられています。

 

親知らずは抜かないといけないものなの?

抜かないで済むのなら、このままの状態で…とお考えの方もいらっしゃるかと思います。

先ほど、親知らずの歴史を振り返りながら、まっすぐに生えてくることが少ないことをお伝えしました。

本来とは異なる生え方をする親知らずを残しておくことで、どのようなことがおこってしまうのでしょうか。

一番多いケースは、親知らず周辺の腫れです。

大きく分けて二つの病気があります。

親知らずが生えてくる際に、歯ぐきが腫れてしまう「萌出性歯肉炎」と、生えた後に痛みや腫れを繰り返す「智歯周囲炎」です。

智歯周囲炎の症状が進行すると、顔が腫れたり、発熱・倦怠感が起こる場合もあります。

さらに重症化すると、頸部の膨張によって呼吸困難に陥るなどの重篤な症状を引き起こすことも考えられます。

こうしたトラブルを防ぐために、抜歯を進めることが多い状況となっております。

奥歯は非常に見えにくいものです。

レントゲン撮影では、親知らずがそもそも何本あるのか、親知らずの生え方、悪い影響を及ぼしていない状態なのかを確認することが可能です。

当院でも親知らずの状態を確認することができますので、是非一度お気軽にご相談ください。

 

親知らずを抜くのは早い方がいいの?

親知らずが生えるのは20歳前後と既にお伝えしましたが、あごは20歳後半まで成長します。

あごが成長するにつれ、厚く硬くなる為、抜歯がしにくくなります。

また、生えたばかりの親知らずは、歯の根が未完成ですので、成長しきってしまった親知らずと比較すると抜きやすいです。

抜歯をした後も若ければ若いほど回復も早い為、痛みや腫れも抑えられますので、抜歯が必要な場合は、なるべく早く治療を受けることが大切です。

とくに、女性の場合には、妊娠前に計画的に抜歯を行うことも良いかと思います。

トラブルがあった場合でも、妊娠中ですと、薬、レントゲン撮影、並びに抜歯ができない為です。

成人してしまったからもう遅いとは思わず、早めに当院にご相談ください。

親知らずの生え方について

親知らずの生え方は大きくわけて3タイプあります。

①真っ直ぐに生えているタイプ

他の歯と同じように、垂直に綺麗に生えているタイプです。

現代の日本人で、このタイプの方は少ないです。

一番奥に生えていることで、どうしても歯が磨きにくい為に、親知らずの隣の歯までもが、虫歯や歯周病になってしまっていることが多いです。

もし正常である場合には、前方にある第一大臼歯や第二大臼歯をなくした際には、活用できる為、残しておいた方が良いことがあります。

②傾いて生えているタイプ(半埋伏)

日本人に1番多いタイプです。

歯茎から半分は頭が出ていて、半分は埋まってしまっているような状態です。

下顎の親知らずに多い特徴があります。

隣の歯の根を吸収してしまうケースもあれば、圧迫することで歯並びに影響が出るケースもあります。

③歯茎に埋まりそのまま生えてこないタイプ(完全埋伏)

歯ぐきの下の骨の中に完全に埋まり見えないタイプです。

自覚症状が出ることはほとんどありませんが、稀に嚢胞と呼ばれる袋を作り、骨を圧迫してしまうこともあります。

症状がない場合には、必ずしも抜歯する必要はありません。

大きく3タイプの生え方のご紹介をしました。

親知らずが上下正常にかみ合っている場合は、特に抜歯の必要はありません。

しかし親知らずが原因で周りの歯に影響を及ぼしてしまう場合もありますので、まだ症状がない方でも、当歯科医院にご相談いただくことを検討してみてください。

親知らずの抜歯について

親知らずの抜歯は、先ほど述べたように生え方が正常でないことが多い為に、普通の歯の抜歯に比べ、非常に難しいです。

なかでも、「難抜歯」というものがあります。

歯に何らかの異常が見られる歯を抜く処置です。

異常を例に挙げますと、歯根が肥大化している、歯根が湾曲している、歯を支える歯槽骨と歯が癒着している、歯槽骨の中に歯が埋まってしまっている等です。

この場合には、抜歯が困難となる為、歯根を分割したり、歯の周囲の骨を削るなど、複雑な外科処置が必要となってきます。

具体的に申し上げますと、局所麻酔をした後に、歯肉粘膜を切開剥離します。

その後ドリルで骨を削り、さらに歯を分割して摘出します。

歯を摘出した穴には抗生剤と止血剤を填入し、縫合する流れとなります。

何かとても大変な治療であると不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、異常に心配することはありません。

きちんと治療方法、抜歯方法についてもご説明しますので、ご相談ください。

 

親知らずを抜いたあとについて

腫れや痛み

痛みや腫れがいつまで続くのか心配な方もいらっしゃると思います。

痛みは麻酔が切れた後に出現します。難抜歯の場合は、痛みがなくなるまでに1週間から10日かかってしまう場合もあります。

腫れは、抜歯後12時間で非常に強まり、1日から1日半でピークに達するとお考えください。

その後次第に引いていきます。

また、2~3日、顔が腫れるケースもあります。

腫れを引かせる為に冷やす必要は特にありません。

むしろ、腫れは血行を良くすることで、炎症反応を起こし治癒させるために必要なものだからです。

食事

食事は手術後4時間はあけてください。

最初はおかゆやうどん、スープ、ヨーグルト、ゼリーなどの流動食、やわらかいものを食べるようにしてください。

傷の治りとともに、やわらかいものから硬いものにご自身のご判断で移行してください。

出血について

抜歯後に一旦は止血しても、飲酒、運動、入浴等を行いますと、再度出血する場合があります。

抜歯当日は避けてください。

シャワー程度なら可能です。

抜歯当日は抜歯した部分に歯ブラシは当てず、そのほかは通常通り磨いてください。

また、強いうがいは避け、何度もうがいしないようにしましょう。

抜歯について

傷口は約1週間で治癒しますので、その頃抜糸を行います。

表面部分の歯肉が治癒するまでに1か月、骨までと考えると、完全治癒までに3か月以上かかる場合もあります。

さいごに

親知らずは一番奥にあるゆえに見えにくい為、治療も後回しにしてしまいがちです。

ご自身の年齢をきっかけに考えることも良いかと思います。

また、抜歯困難である為に治療を断られてしまい、そのまま放置される患者さんもいらっしゃいます。

この記事を読んで、自分の親知らずの状態を一度確認したいと思った方、是非当歯科医院に一度ご相談ください。

お待ちしております。