こんにちは。
大阪府吹田市江坂の「はやし歯科クリニック」です。
「家族から歯ぎしりがうるさいとよく言われる」そんな方はいませんか?
実は睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは8~16%の人がしていると言われているのです。
今日はそんな歯ぎしりや食いしばりに悩んでいる方へ、その原因と治し方をお話したいと思います。
歯ぎしりとは
歯ぎしりとは、食べ物のない状態で上下の歯を水平方向にすり合わせることのことです。
歯にすり減った跡を残し、歯や顎の骨へのダメージがとても大きいものです。
睡眠中にきりきりと音を立てることが多いですが、音が出ないこともあります。
起きているときにすることもあります。
食いしばりとは
食いしばりとは、上下の歯にを垂直方向に強い力を込めて噛みしめることです。
このような噛み方は重いものを持つときや、短い時間でパワーを発揮するときなどに誰でも無意識で起こることです。
しかし病的な食いしばりは、そういったとき以外でも強く噛みしめてしまうのです。
音が出るわけではないので、自分や周りの人もなかなか気づかないです。
エラ部分に痛みがあったり、歯が削れている場合は、無意識に食いしばりをしている可能性があります。
歯ぎしり・食いしばりの影響
歯ぎしりや食いしばりをすることでどのような影響があるのでしょうか?
歯はもちろんのこと、他の部位にも影響を及ぼします。
歯
一番影響を受けるのが歯です。
歯に強い力が加わると、削れたりかけたりしてしまいます。
歯に詰め物をしている場合は、割れて取れる可能性もあるのです。
歯茎
歯茎にも大きな負担をかけてしまいます。
歯茎に影響が出ると、歯周病や歯槽膿漏などの症状が出やすくなります。
また歯並びにも影響がでる可能性があるのです。
顎
強い力がかかることで歯が揺さぶられ、それを支える顎の骨が溶かされ始めます。
特に強い力で噛みしめる食いしばりは、顎への負担が大きいのです。
顎関節症などを引き起こし、口を大きく開けることが難しくなってしまいます。
顎の痛みを感じる場合は、顎関節症を発症するサインかもしれません。
肩こり・頭痛
歯や顎への影響はなんとなく想像がつきますが、肩こりや頭痛を引き起こすこともあるのです。
咀嚼するときには、下顎と繋がる顔の筋肉が働いています。
そしてその筋肉は首や肩、背中などの他の部位に繋がっています。
そのため歯ぎしりや食いしばりによる負担は、顎関節に関与する筋肉にも影響を及ぼしてしまうのです。
その首や肩、背中の痛みは、歯ぎしりが原因かもしれません。
歯ぎしり・食いしばりの原因
ではそんな歯ぎしりや食いしばりの原因はなんなのでしょうか?
2つあるので紹介します。
ストレス
歯ぎしりや食いしばりの原因は明確ではありませんが、ほとんどの場合がストレスが原因で起こると言われています。
ストレスを感じると、歯と歯をすり合わせたり、歯を噛みしめることでストレスを発散しようとするのです。
寝ている間の歯ぎしりや食いしばりは、日常生活で緊張状態にあったり、疲れていたりすると、頻度が増えると言われています。
嚙み合わせや骨格
上下の歯の噛み合わせやバランスが悪いと、普段から知らない間に口周りにストレスが溜まります。
その結果歯ぎしりや食いしばりが起こることがあるのです。
また、歯の治療で詰め物をしたことにより歯のバランスが変わり、歯ぎしりや食いしばりが始まることもあります。
歯ぎしり・食いしばりの予防・改善方法
そんな歯ぎしりや食いしばりを予防する方法や改善方法はないのか気になりますよね。
以下に記載します。
ストレスを発散する
歯ぎしりや食いしばりの原因はほとんどがストレスです。
そのためストレスを発散することが大事です。
しかしストレスの原因は様々あり、全てを根本から解消するのは難しいですよね。
日々の軽い運動やストレッチ、趣味の時間など、自分に合ったストレス発散方法で軽減することはできます。
また太陽を浴びて体内時計を整えることで、睡眠の質がを向上させることができます。
太陽を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌されます。
セロトニンはストレスを軽減させる効果があるので、ストレスの解消に繋がるでしょう。
起きているときは意識する
日中覚醒しているときだけでも、口に意識を向けておくことも大事です。
意識することで歯ぎしりや食いしばりを防ぐことができます。
口を閉じた状態で、奥歯を噛みしめないように注意しておきましょう。
もし噛みしめていると気づいたときは、すぐに離すようにします。
意識するだけでも、習慣化していた歯ぎしりや食いしばりの解消に繋がります。
歯医者で歯ぎしり・食いしばりを治す治療法
歯ぎしりや食いしばりを上記の方法で完全に治すことはできません。
起きている間は意識できても、寝ているときに予防することは難しいです。
そのため歯ぎしりや食いしばりを治すことではなく、歯ぎしりや食いしばりの影響をできるだけ減らすことが大切です。
そこで歯医者が行う歯ぎしりや食いしばりのついて治療法を紹介します。
マウスピース
歯医者で行う歯ぎしりや食いしばりの治療法として、一般的なものがマウスピースを用いた治療法です。
噛み合わせを調整するため、自分の歯の形に合わせて作られたマウスピースを装着する治療法です。
上の歯と下の歯が当たった時の衝撃を和らげるので、何もつけていないときより負担が軽く、歯や体への影響を軽減してくれます。
マウスピースは歯ぎしりや食いしばりを治すものではなく、あくまで負担を軽減させるものです。
ちなみに歯医者で作られたものではなく、市販のマウスピースもあります。
しかしこれはおすすめしません。
歯医者で作ってもらうマウスピースは、歯型を取って作ってくれるので、歯や歯茎にしっかりフィットするのです。
マウスピースを歯医者で作ってもらったら、寝ているときや日中気になるときにはめて使用しましょう。
薬物治療
薬の処方によって、噛み合わせのときに使われる筋肉の緊張を少なくするという治療法もあります。
できるだけ余分な力が働かないようにするのです。
しかしこういった治療で使われる薬には副作用があるため、長期間の使用はできません。
歯科医師と相談しながら状態に合わせて治療していきます。
矯正治療
噛み合わせが良くないことも、歯ぎしりや食いしばりの原因となります。
そのため噛み合わせを正常な状態に治すには、矯正治療がおすすめです。
噛み合わせが整うと、歯ぎしりや食いしばりの解消だけでなく、肩こりなどのその他の部位の不調の解消にも繋がります。
歯ぎしり・食いしばりをしているかもと思ったら
歯ぎしりや食いしばりは無意識にしているため、自分で気づくことは難しいです。
しかしわかりやすい症状として、以下のものがあります。
・歯にひびがはいっていたり掛けている
・朝起きたときに歯や顎が疲れている
・冷たいものが歯にしみる
・頭痛や肩こりが慢性的にある
こういった症状があるときは歯医者を受診しましょう。
普段歯ぎしりや食いしばりをしていると感じていない方でも、歯医者に歯ぎしりをしていると指摘されることがあります。
自覚症状がなくても、歯医者が見れば歯の削れ具合でわかるのです。
上記の症状に心当たりがある方は、一度当院にご相談ください。
まとめ
以上で歯ぎしりと食いしばりの原因と治し方についてのお話を終わります。
歯ぎしりや食いしばりは自覚症状がないですが、放置していると体全体に影響が及びます。
日々ストレスを抱えないように生活をしたり、口の中を意識することで予防はできますが、完全に対策することはできません。
そのため歯医者に相談し、適切な治療を行うことをおすすめします。
また今は歯ぎしりや食いしばりの自覚症状がない場合でも、少しでも歯や顎に違和感がある場合は、ぜひ一度当院にご相談ください。