こんにちは。
大阪府吹田市江坂の「はやし歯科クリニック」です。
年齢を重ねるごとに、お口のトラブルが増えることが多くなります。
今回は加齢による口のトラブルにお悩みの方へ、その種類と口腔ケアの方法についてお話したいと思います。
加齢による口のトラブル
年齢を重ねると体の様々な部位で変化が現れますが、それは口の中にも現れます。
ここからは、加齢による口のトラブルの種類をご紹介します。
唾液が減る
唾液には、自浄作用や抗菌作用があります。
つまり、唾液があることにより口の中を清潔に保ったり、免疫機能を維持することができるのです。
しかし、年齢を重ねると唾液の分泌量が減ります。
そのため、歯磨きなどで意識して綺麗にしないと、口の中に菌が繁殖しやすい状態になってしまうのです。
また唾液が減ることにより、口の中が乾燥する状態である、ドライマウスの原因にもなります。
ドライマウスは、虫歯や歯周病を進行させるだけでなく、雑菌の繁殖による口臭や、味覚障害などの原因にもなります。
さらに唾液は、咀嚼する際に必要ですので、うまく食べ物を食べられないというような、食事の困難にも繋がります。
虫歯や歯周病が増える
加齢による虫歯や歯周病には、様々な理由がありますので、今回は4つ紹介します。
1つ目は、加齢による歯の根元の露出です。
間違った歯磨きや、歯ぎしりや食いしばりにより、歯の根元が露出してきます。
露出した歯の根元に虫歯ができると虫歯が進行し、歯を失うこともあるのです。
2つ目は、唾液の減少です。
先ほども述べた通り、唾液が減ることにより自浄作用や免疫機能が低下し、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなります。
3つ目は、加齢による免疫力の低下です。
体の様々な部位でその影響があらわれますが、口の中も例外ではありません。
4つ目は、詰め物や入れ歯によるものです。
治療で入れた詰め物や被せ物と歯の境目には汚れが付きやすいのです。
治療をした歯であっても、しっかり歯磨きをしていないと再び虫歯や歯周病になってしまいます。
また入れ歯を使用している場合は、入れ歯と粘膜の隙間に細菌が繁殖しやすくなります。
味覚の変化
舌の表面には味蕾と呼ばれる小さな器官があります。
この味蕾により、人は味を感じるのですが、年齢を重ねるごとに味蕾の働きが悪くなります。
それにより、味覚障害が起こります。
そして唾液の量が減ると、舌の表面に細菌の塊が付きやすくなるのです。
この塊によって、味蕾の働きが悪くなることもあります。
また、偏った食生活による栄養不足によっても、味覚障害が引き起こされます。
口腔ケアの方法
加齢による口のトラブルは、ある程度仕方のないことですが、ケアをして予防をすることができるのです。
今回は代表的な口腔ケアの方法を4つご紹介します。
正しく歯磨きをする
口の中のトラブルを予防するためには、まずは正しく歯磨きをすることです。
これが基本となります。
特に詰め物や入れ歯がある方は、歯を磨きづらいです。
自分の歯に合ったサイズの歯ブラシを使用し、歯と歯の間をしっかり磨きましょう。
また、歯間ブラシやデンタルフロスを使用することも効果的です。
舌を綺麗にする舌ブラシもありますので、気になる部分はしっかりケアしていきましょう。
しかし、自分だけで綺麗に磨くには限界がありますし、正しい歯の磨き方を身に着けるのも困難です。
定期的な歯科医院での歯科検診や、歯のクリーニングをおすすめします。
唾液の分泌を促す
唾液が減少することで、ドライマウスや虫歯や歯周病の進行が進みます。
そのため、唾液の分泌を促すことが重要です。
細菌や残留物で口の中が不衛生な状態では、唾液が出にくくなります。
口の中を清潔に保つことで、唾液の分泌を促すことができるのです。
口の中には唾液が出やすい唾液腺があります。
歯ブラシなどで食事前に、唾液腺を刺激することで、意図的に唾液の分泌量を増やしましょう。
唾液を増やすことで様々なトラブルを防ぐことができます。
口腔機能の低下を防ぐ
年齢を重ねると、「噛む」「飲み込む」「話す」「呼吸する」のような、口を使った動きがしづらくなります。
口腔機能全般が、低下しやすい傾向にあるためです。
口腔機能が衰えると、栄養が十分に摂取できなくなり、免疫力の低下に繋がってしまいます。
口腔機能を向上させることにより、口の中の健康だけでなく、体全体の健康を回復することができます。
これにはお口の体操が、効果的です。
口を開けたり閉じたり、舌を出したり引いたり、頬を膨らませたりすぼめたりします。
このように口の周りの筋肉を動かすことで、唾液の分泌を促すこともできますし、食べる機能の衰えを防ぐことができます。
認知症を予防する
一見口の中のトラブルとは関係のないことのように見えますが、認知症の予防も重要なのです。
口を開けたり閉じたりして噛んで食べる行為は、脳に酸素を送ったり刺激を与えるため、中枢神経を活性化して認知症が予防できるのです。
調査によると、歯が20本以上残っている人は、歯がない人に比べて認知症になるリスクが、1.9倍も低いという結果が出ています。
口腔ケアのポイント
高齢者の方が上記のような口腔ケアを行うにはいくつか注意点がありますので、ご紹介します。
自力でやってもらう
介護の一環で、口腔ケアを行うこともあります。
介護も口腔ケアも基本は同じで、高齢者の自立を促すためにも、サポートは必要最低限にしましょう。
歯を磨くという動きは、手指を動かすリハビリになります。
しかし、口の中はデコボコが多かったり、磨きづらい場所もあるため、磨き残しのチェックや、仕上げ磨きは介護者が行うようにしましょう。
姿勢に気をつける
口腔ケアを行うと、唾液の分泌量が増えます。
あごが上がった状態で口腔ケアを行うと、水や唾液が肺に入ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。
そのため口腔ケアを行う際は、あごをひいてもらうなどの、安全な姿勢を整えてから始めましょう。
歯科医院での口腔ケア
ご自身での口腔ケアも大事ですが、そこで予防できるものには限界があります。
そのため、歯科医院に通い、口腔ケアを行うことも大事です。
歯科医師や歯科衛生士が、口の中の状態を見て、専門的なアドバイスをしてくれます。
具体的に、どのようなことを行うのか、一部をご紹介します。
歯磨きの指導
患者さんに歯磨きをしてもらったあとに、どの部分に磨き残しがあったかの指導をしてもらいます。
歯ブラシを使った歯磨きの仕方だけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスの使い方などのアドバイスも受けられます。
歯のクリーニング
自分では磨ききれない汚れを綺麗にしてもらいます。
コーヒーの着色やたばこのヤニは、自力で綺麗にするのは困難です。
歯科医院で使っている特殊な器具によって、綺麗にしていきます。
また、歯石の除去も自力では困難ですので、こちらも歯科医院で綺麗に除去していきます。
まとめ
以上で加齢による口の中のトラブルと、口腔ケアの方法についてお伝えしました。
加齢による口の中のトラブルはある程度仕方のないことではあります。
しかし、自身でケアできる部分はしっかりケアしていくことで、進行を防ぐことは可能です。
そして一番大事なことは、定期的に歯科医院へ通い、検診や歯のクリーニングを行うことです。
もし、加齢による口の中のトラブルが気になる方や、不安に思うことがあれば、是非一度当院にご相談ください。