こんにちは。
大阪府吹田市江坂の「はやし歯科クリニック」です。
アフターコロナで行動制限なしの平常対応となり、マスクを外す人も増えてきています。
息苦しさから解放される一方、口元が気になる方も多いのではないでしょうか?
今回は、ホワイトニングについてお話をしていきたいと思います。
自信を持ってマスクを外したい!
実際、長く続いたマスク生活の影響で、自分自身や他人の口元が以前より気になるようになった、との調査結果もあります。
透明マウスピースによる歯科矯正サービスを提供しているゼニュムジャパン社の調査によると、アンケートに答えた人のうち
「マスクを取って口元を見られることに心理的抵抗を感じている」
と答えた人の割合は全体の半数以上の54.4%でした。
また、「自分の口元で気になる部分は?」の問いに対し、「歯の黄ばみ」が37.8%で1位でした。
(他、同率1位に「肌荒れ」「口臭」)
このように多くの人が自分や他人の口元、とりわけ歯の黄ばみが気になっている現状が伺えます。
昔、「芸能人は歯が命」というCMがありましたが、テレビに出なくても歯の白さは気になるもの。
今回は歯を白くする「ホワイトニング」について解説していきます。
そもそも「ホワイトニング」とは?
ホワイトニングを簡潔に説明すると、「薬剤を用いて歯を白くする施術」です。
具体的には歯の内側を白くし、見た目の美しさを向上させることを目的としています。
これに対し、歯の表面に付いた汚れや歯垢を落とすことは「クリーニング」と呼ばれ、区別されています。
最近では、よくネット広告などでホワイトニングを謳う歯磨き粉を目にします。
歯磨き粉で白くなるなら歯医者に行くよりリーズナブル!と思うかもしれません。
ですが、あくまでクリーニングの範疇であり、元々の歯の黄色味を落とす効果はありません。
明日から使える豆知識として、ホワイトニングとクリーニングの定義の違いを押さえておいてください。
歯の黄ばみは自分では落とせない?
では、歯の黄ばみは「クリーニング」では落とせないのでしょうか?
黄ばみについて詳しく見ていきましょう。
歯の黄ばみの原因は2種類に分けられます。
一つは「外因性」によるもので、飲食物やタバコのヤニ、歯磨きの不足による歯石の付着が挙げられます。
黄ばみを招く飲食物の代表例はお茶、コーヒー、ワイン、そしてカレーなどの色の濃い食べ物です。
コーヒーやワインに含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に役立つと言われる成分です。
しかし歯の表面を覆うペリクルというタンパク質の膜と結びつくことで、ステインと呼ばれる着色汚れの原因となります。
日々の歯磨きが不十分だと、ステインやヤニの汚れが歯に留まりやすくなるだけでなく、磨き残しで口内に残った歯垢が時間とともに歯石へと変化し、歯が黄ばんで見えるようになります。
もう一つは「内因性」と呼ばれ、生まれつきの歯の質によるもの、加齢によって生じる黄ばみがこれにあたります。
歯は、表面のエナメル質とその内側の象牙質で構成されており、エナメル質が薄いと内部の象牙質の色が透けて見えます。
日本人は遺伝的にエナメル質が薄く、欧米人に比べると生まれつき歯が黄色いと言えます。
外因性の汚れはクリーニングなどで取り除くことができますが、内因性の黄ばみはクリーニングでは白くなりません。
生まれつきや加齢による黄ばみを白くしたい場合に有効なのがホワイトニング施術です。
ホワイトニングって具体的に何をするの?
目指す白さや施術を提供する場所によって、いくつかの種類に分けられます。
本項では歯科医院とそれ以外の場合に分けて説明します。
歯科医院で提供するホワイトニング
・オフィスホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングは「オフィスホワイトニング」と呼ばれます。
過酸化水素などの漂白作用のある薬剤を塗布し、特殊な光を照射して短時間で歯を白くします。
1回の施術で白さの実感が得られる方法です。
・ホームホワイトニング
はじめに歯科医院でマウスピースを作成し、処方されたホワイトニング薬剤を塗って自宅で装着する方法です。
ご自身のペースで行っていただける反面、即効性はオフィスホワイトニングの方が勝ります。
・デュアルホワイトニング
「オフィス」と「ホーム」のホワイトニングを組み合わせたものがデュアルホワイトニングです。
歯科医院での施術で白くした歯を、自宅でのケアで長持ちさせられるのが特徴です。
歯科医院以外のホワイトニングって?
近年では歯科医院以外にも「ホワイトニングサロン」と呼ばれるセルフ形式のホワイトニングを提供している店舗が増えています。
溶液やLEDライトを用いるなど施術の形式が似ており、なおかつ1回あたりの料金も歯科でのホワイトニングに比べて安価なため、気になっている方も多いのではないでしょうか。
歯科医院以外のサロンには、当然ながら歯科医師や歯科衛生士は在籍していません。
法律上、無資格のサロンスタッフは施術を行えず、説明を受けながら自分で行う必要があります。
加えて、歯科医院で提供している過酸化水素などの薬剤の取扱いもできないため、実際はクリーニングレベルの「元々の歯の白さ」を目指すものとなります。
もちろん、どの程度の白さを希望するかによって選択肢も変わってきますが、
ホワイトニングを受ける前に健診で歯の状態を確認できる
後述の禁忌も医師のチェックが入る
といった面で、歯科医院でのホワイトニングが安心だと言えます。
思ったより白くならない?気を付けるべきポイント
歯の状態によっては、ホワイトニングの効果が出にくい場合もあります。
以下によくある例をご紹介します。
フッ素コーティング済の歯
むし歯予防や歯の強化のためにフッ素塗布を受けられている場合、ホワイトニング剤の浸透が阻害され、ホワイトニングの効果が十分に得られない場合があります。
この場合は歯科医師と歯の状態を相談しながら、フットコーティングの効果が切れたタイミングでホワイトニングの施術を受けることで漂白効果が期待できます。
金属による着色
むし歯治療などで歯に金属製の詰め物をしている方も多いと思いますが、金属イオンにより周囲の歯が黒っぽくなる場合があります。
金属由来の着色はホワイトニングの効果が期待できないため、白くしたい場合は詰め物を樹脂に変えるか、歯の表面に専用のマニキュアを塗布する方法があります。
テトラサイクリン着色
歯の形成期(0歳〜12歳頃)にテトラサイクリン系の抗生物質を多く摂取すると、歯の変色を招くことがあります。
程度の進んだテトラサイクリン着色にはホワイトニングの効果は薄く、上述のマニキュアのほか、ラミネートべニアといった方法が候補に挙がります。
ホワイトニングを受けられないケース
妊娠中、授乳中
妊娠中、授乳中の女性はホワイトニングを受けないようにしてください。
理由としては、ホワイトニングで使用する過酸化水素、過酸化尿素が胎児に悪影響を及ぼす懸念があるためです。
無カタラーゼ症
過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼが生まれつき欠損している疾患のことです。
無カタラーゼ症の方は過酸化水素を体内で無毒化できないことから、口腔内の壊死などを引き起こす恐れがあり、ホワイトニングは禁忌となっています。
むし歯、歯周病がある
むし歯や歯周病がある場合、ホワイトニングができないわけではないのですが、
薬剤による知覚過敏や詰め物・被せ物への影響、
また、神経が死んでいる歯は異なるホワイトニングの手法を用いることなどから、
一般的にむし歯、歯周病の治療を終えてからホワイトニングを実施する流れとなります。
まとめ
本記事ではホワイトニングについて、種類や施術の内容、歯科医院とその他サロンとの違いなどについて解説しました。
脱マスク生活で口元、特に歯の黄ばみが気になるという方は、まずはお近くの歯科医院でホワイトニングについて相談してみてはいかがでしょうか。