こんにちは。
大阪府吹田市江坂の「はやし歯科クリニック」です。
今回は、子どもの虫歯治療について、お話しします。
お子さんが虫歯になってしまったときのために、ぜひ知っておきましょう。
虫歯にはどんな種類がある?虫歯のパターン分けについて
「虫歯」と一口に言っても、進行度合いによって治療方法が変わります。
まずは、虫歯のパターンについて知っておきましょう。
虫歯の進行具合によって、「C0〜C4」の5つに分けて診断されます。
ご自身の歯科検診でも、歯科衛生士や歯科医師が診断するのを聞いたことがあるかもしれません。
では、数字ごとの虫歯の状況について、詳しく見ていきましょう。
「C0」は、虫歯の初期段階
「C0」は、虫歯の初期段階です。
虫歯になりかけている段階を指します。
「C1」は、軽度の段階
「C1」は、軽度の虫歯です。
歯の表面のエナメル質に虫歯ができています。
「C2」は、虫歯が象牙質まで到達している段階
「C2」はC1の表面の虫歯から、さらに進行した段階になります。
歯は、表面がエナメル質でできています。
その奥の、内部の一番上の表層が、「象牙質」となります。
「C2」は、この象牙質が虫歯になった状態です。
「C3」は、虫歯が神経まで到達している段階
象牙質まで進行した虫歯を、そのまま放置してしまうと、虫歯は歯の神経の部分まで進んでいきます。
「C3」は虫歯が神経まで到達している状態です。
「C4」は、虫歯によって歯のほとんどが崩壊してしまった段階
虫歯を長い期間、治療せず放置すると、歯のほとんどが崩壊して歯の根っこだけが残っている状態になります(残根状態)。
C3は痛みが強く、C4まで達すると、食事の際や夜も眠れないほど痛いなど、自覚症状が出てきます。
子どもの虫歯の治療方法とは?進行状況ごとに解説
ここまで、虫歯の進行状況を解説してきました。
では、虫歯の進行によって、お子様に対してどのような治療が行われるのか、子どもの虫歯の一般的な治療方法について、見ていきましょう。
C0の治療方法
虫歯になりかけている、初期段階のC0の治療方法は、歯を削るなど直接の治療はおこないません。
虫歯が悪化しないように、ブラッシング指導や歯の表面へのフッ素塗布などで様子を見ます。
C1の治療方法
C1の治療方法は、歯の表面であるエナメル質にできた軽度な虫歯の箇所を削ります。
削った部分については、レジンで埋めるため、見た目を損なうことなく治療することができます。
C2の治療方法
C2の治療方法は、基本的にはC1と同様となります。
虫歯となっている象牙質の部分を削り、レジンで埋めます。
場合によっては、詰め物をしっかりとする治療のケースもあります。
C2にまで達した虫歯は、冷たいものなどの刺激で痛みを感じやすい状態ですので、早急に歯科での治療をしてあげましょう。
C3の治療方法
すでに神経にまで達してしまったC3の治療方法は、神経を取り除く治療になります。
歯の深部にある神経まで虫歯が達しているため、歯を削る治療では、治すことができないことがほとんどです。
ですが、子どもの神経の場合、再生能力が強いため、神経の一部を残す「生活歯髄切断法」という治療法を行うケースもあります。
しかし、生活歯髄切断法は適応が限られます。
そのため、すべてのケースで実施できるわけではありません。
C4の治療方法
C4の治療方法は、基本的に抜歯での処置となります。
歯が根元部分しか残っていない虫歯ですので、治療での改善は見込めないため、残っている部分を抜く治療になります。
ただし、虫歯となった歯が乳歯の場合は、成長とともに生えてくる永久歯を考慮して、補強を行うこともあります。
大切な歯を守るためにも、定期的な歯科検診で、初期段階の虫歯で処置できるようにしておきましょう。
子どもの虫歯治療の流れについて
ここまで、具体的な虫歯の治療方法について、進行状況ごとに見てきました。
虫歯の進行状況、また、将来の歯の成長に合わせた治療が大切となってきます。
では、実際の子どもの虫歯治療は、どのような流れで行うのでしょうか。
基本的な流れを見ていきましょう。
虫歯の進行状況や治療によって異なる場合もありますが、よくある軽度の虫歯で解説します。
カウンセリング・診察
はじめに、カウンセリングと歯の診察からはじまります。
歯の痛みや冷たいものがしみるなど、自覚症状についてカウンセリングをおこないます。
また、全ての歯を、歯科医師が目視でチェックします。
必要に応じてレントゲン撮影を行います。
自覚症状のない初期状態の虫歯も含めて、治療が必要な歯をくまなく診察します。
虫歯の除去
診察で軽度の虫歯が見つかった場合、先ほど見てきた通り、対象の箇所だけを削る治療を行います。
虫歯部分だけを削るため、それほど歯の形状が大きく変わってしまうことは起きません。
詰め物をする
虫歯部分を削った歯をそのままにしてしまうと噛み合わせに影響が出てしまう恐れがあります。
治療を行った歯に対して、詰め物を詰める治療を行います。
詰め物は、レジンや銀など素材の種類があります。
処置後、目立たないものはレジンですが、歯と歯の間に大きな穴があいているなど、治療範囲が大きい場合にレジンを使ってしまうと、咬む力に耐えられず、歯からはがれてしまう場合があります。
そのため、耐久性に優れている銀の素材を選択される場合もあります。
見た目や耐久性などそれぞれの特徴を考慮し、治療範囲や将来の成長に合わせて、歯科医師と相談しながら決めましょう。
詰め物を詰めたあとは、最後に噛み合わせを確認し、問題がなければ治療完了となります。
お子さんが治療を怖がってしまう…。暴れて治療できない場合の治療について
みなさんの子どもの頃を思い出していただくと、「歯医者さんが怖かった」という方もいらっしゃるかもしれません。
歯医者さんが怖い、とくにお子さんがまだ小さく、どうしても歯科治療を嫌がってしまう場合、歯を削るといった治療は難しいかもしれません。
治療のためといって、嫌がるお子さんを無理やり押さえつけて治療してしまうと、歯科恐怖症(Dental phobia)など、将来の歯科衛生にまで影響する可能性が出てきてしまいます。
その場合は、無理な治療は行わず、虫歯の進行を止める薬をまず塗り、その後の経過を観察する場合もあります。
まずは、お子さんに歯科医院に慣れていただき、恐怖感を極力軽くする、取り除いた上で、再度治療を行います。
また、治療を上手に受けられなかったときも、保護者の方はしっかり褒めてあげましょう。
お子さんにとって、お母さん・お父さんから褒められることは何よりもうれしいものです。
保護者の方と歯科医師が信頼関係を持って、お子さんのむし歯治療を受けることができ、歯の健康を保てることが重要です。
まとめ
ここまで、虫歯のパターンと治療法、お子さんが歯科治療を怖がってしまった際の対応について解説してきました。
子どもの虫歯は、虫歯の進行状況によって治療方法が変わります。
まずは虫歯があるか、あった場合、進行状況を診察した上で、どのような治療が適切か、お子さんの状況や成長にあわせた治療について歯医者さんと相談しながら、決めましょう。
「はやし歯科クリニック」では、お子さんの歯を守り、健やかに成長できるよう、歯科治療に力を入れています。
虫歯ができてしまった場合、安心して治療を受けていただき、その後の将来を見据えた処置をおこなう、お子さんの目線に立った対応をいたします。
お子さんの虫歯や治療は、当院までお気軽にご相談ください。